3/29/2011

個人のリスク管理に役立たない放射能基準

 福島第一原発から20kmの圏内は避難指示区域となっているが、避難所から留守の家に忘れ物を取りに行く住民が絶えないという。
 危険な区域だから政府は避難を指示(命令)しているのだろうが、最終的に住民の行動を決めるのはその個人だ。放射能を浴びるリスクと必要品がない生活とを比較し、一時帰宅を自分なりにリスク管理し決めたものだろう。
 ということは、放射能の安全基準が素朴な実感から明らかに厳しすぎるのではないか?多分一桁、あるいはひょっとしたら二桁も大きくてもよいのかもしれない。ギリギリ安全が守れる数値にはもちろん安全率を掛けて(少ない数値にして)基準にする必要はあるが、それでも小さすぎる。ひょっとして基準を作る役人側の責任逃れ、でなければよいが。安全側であればそれでよし、というのは個人がリスク管理したうえでの行動の基準には役立たないし、すべて行政不信につながる恐れもある。
 買いだめ行為は非道徳だが、リスクはほとんどない。家中が当面必要ない商品であふれるだけだ。少しでも汚染の疑いがある野菜などを忌避する(供給者側からは風評として片付けている)のもリスクはない。ほかのものを食べればよいからだ。だから、リスク管理と言うより、こちらはノーリスク管理になっているのだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿