10/31/2011

ベトナムがよくて日本が駄目な理由(原発)

 ベトナムに日本から原発の輸出を継続することが確認された。
 福島の事故後、ベトナム政府はそれでも日本の原発技術を導入するつもりだ。事故後だと、その教訓を入れて、安全性が増す。それに事故を起こした古い形式のものと違い、最新のものを導入する。
 その最新式をベトナムは受け入れて、日本では凍結となる。違いは日本国民の原発技術不信にしかないことは明らかだ。

氾濫した洪水は水深が浅いので伝播が遅い(バンコク)

 タイ・バンコクの北方、チャオプラヤ川の上流のアユタヤなどで氾濫した洪水がなかなか下流のバンコクまでやってこないのはなぜか?
 洪水を安全に海にまで流すのは河川の役割だ。そのチャオプラヤ川はそれでも超緩流なので、なかなか洪水が引かない。チャオプラヤ川の巾は数百メートル、深さは数メートルあるので、洪水流下能力は比較的大きい。それに比べ、北方で河川外に氾濫した洪水流は深さが数十センチしかないので、すごく遅い流れとなる。それで、バンコク市にまで洪水が来るのに時間がかかる、(バンコク市にとっては)幸いなことに。
 以上のことは氾濫流解析によって洪水流の伝播が予測可能だ。
 なお、昭和22年のカスリン台風水害の利根川中流部を破堤させた氾濫流は一週間かかって東京江戸川区に達し東京湾に抜けた。この間の土地の勾配はバンコク周辺より百倍も急だ(見た目は平らだが)。

10/30/2011

APECにどう対応するか決め時だ

 11/12のAPECにいま民主党内でもめているTPP参加の方針を持って行くと、野田首相は決断しているみたいだ。
 よいのではないか。日本国の首相で民主党の代表たる野田氏の決断は重い。もし反対なら、与野党、国会で内閣不信任すればよいし、民主党では代表を解任すればよい。もし、反対派が少数だと思えば、山田元農水相のように離党すればよい。脅かしは止めて、自分の信念に基づいて行動するのが政治家だ。

10/26/2011

伊波前市長が反対でないなら普天間近接小学校の移転を

 沖縄について問題発言をしたとされ免職になった米国日本部ケビン・メア元部長、その著書「決断できない日本」に名指しで「普天間飛行場に近接する小学校の移転に反対した」と書かれたとして、宜野湾市伊波洋一前市長が虚偽記載による名誉毀損で告訴した。
 名護市の辺野古に普天間の飛行場を移転する案は実行が難しい。となれば、代替候補地が決まるまでの間、普天間飛行場の危険性を少しでも除去するのが現実的だ。そのためにはかつての施策だったこの小学校などの移転を再び検討しなければならない。当時の小学校移転に地元の革新派市長だった伊波氏が反対でないことがわかったので、基地周辺の危険対象施設の移転など危険性除去の施策を再び進めたらどうだろうか?

10/25/2011

バンコク上流のアユタヤが洪水では不利

 今週末10/28にタイ湾が大潮を迎えることから、洪水がいっこうに引かないバンコク周辺は厳戒態勢になっている。
 しかし、大潮というのは満潮高が最大となる一方、干潮も一番低くなる。このときがチャオプラヤ川の洪水流下条件を改善するのだ。チャオプラヤ川下流域の平野は低平地でかつ勾配がない。唯一に近い排水手段は大河チャオプラヤ川の排水能力だ。
 バンコク首都市街地は郊外農地(現在は都市利用がなされている)に比べ微高地になっているのだろう。だから、昔から周辺と比較して洪水の被害を受けることが少なく、首都に選ばれたのだろうと思われる。その中心をチャオプラヤ川が貫流して、両側の都市がその流路を絞っている格好になっている。これでは上流のアユタヤ付近の洪水が収まらないはずだ。そのような場所を東洋のデトロイトに選んだ間違いか?

10/23/2011

すべては増税環境を構築(財務省)

 三次補正の財源として復興債を発行するところまでは一致している。しかし、その国債の償還期間と特別会計として区分管理するかで議論になっている。野田内閣・民主党は償還期間について10年の比較的短期とする理由として、現役世代で負担し、つけを後代にまわさないことを主張している(公明党に配慮し15年にまで降りている)。
 自民党が主張するように建設国債なみの60年償還とし、その復旧インフラを使用する後代にむしろつけをまわすべきだ。
 野田内閣=財務省の意図は増税環境を構築するために遠大に図っているとしか思えない。本命は社会保障財源を確保するための消費税率10%への増税だ。そのために、国民誰もが反対できない復興財源を持ち出し、それによって増税慣れさせようとしているのではないか?朝霞の公務員宿舎建設の凍結も同じシナリオからと思われる。
 消費税率の10%への増税案は自民党のもともとの政策だ。それを菅内閣の参議院選挙政策としては真似したに過ぎない。だから、立法府での多数の意見なので、あとは国民に対し如何に真摯に説明できるかだろう。

10/19/2011

平野復興相は「馬鹿」を能なしの意味で使っていない

 平野復興相の「津波被害者は逃げなかった馬鹿」発言でマスコミが二匹目のドジョウをねらっている。一匹目の鉢呂前経産省の場合もそうだったが、今回も、日本語の多様な使われ方を気づかない(マスコミの未熟)問題ではないか。
 「○○の馬鹿、なぜ死んじゃったんだ!!」○○は親友で、その人が死んでしまったことを、残された自分の身になって見ろ、と故人に「馬鹿」という言葉はよく使われる。

10/17/2011

5兆円の補償額は原発年販売額5.4兆円より少ない

 今回の福島第一原発の事故の後始末には巨額の費用がかかる。事故原子炉そのものの後始末の費用と事故に伴う周辺地区への補償などだ。一説には5兆円規模だと言われている。これをもって、原子力発電のコストは安くはない、という議論が高まっている。
 もともと原発は初期投資は比較的高いが、燃料費が安いので、耐用年限を平均すると10円/kwh程度と言われている。再生可能エネルギーによる発電の太陽光の40円以上/kwhと比べると歴然としている。この10円に5兆円を加えるとどうなるか?
 一年間の全国電力使用量は9,000億kwh(2010年実績)である。原発のシェアは30%として、2,700億kwhが原発発電量となる。5兆円を一年間だけで償還するとすると、50,000億円/2,700億kwh=18.5円/kwhとなり、これだけでは太陽光発電との差額40-10=30円/kwhを超えることはない。2,700億kwhの販売額は20円/kwhの単価として5.4兆円と巨額だから、5兆円はその1年分以下でまかなえる。以上を東電だけでなく、全国合計で比較するのは、たまたま、東電原発の事故だったが、九電力どこでも考えられるので、共済制度にふさわしいからだ(今回は間に合わなかった)。
 このような事故は毎年起きるわけではない。事故の引き金となった大津波だったら、千年に一度の事故だから、その考えなら、年あたり50億円、発電単価で言えば、0.0185円/kwhのみのアップとなる。100年に一度の大地震の考え、あるいは、原発の最初の稼働(1963年)以来の約50年に一回起きたとすれば、毎年それぞれ500億円、1,000億円の負担で済むことになる。

10/16/2011

年金は保険であることを忘れた議論

 年金(厚生年金)の支給開始年齢の例えば68歳への繰り延べが議論の対象に上っただけで大騒ぎになっている。
 そもそも、何のために老齢年金というものがあるのかの議論が足りない。年金とか保険とかは皆で出し合って必要な人に支給する仕組みだ。国費で補填するといっても、元は税金だ。だから、誰もが迎える老後に備える資金は個人で若いうちから積み立てるのが基本なのだ。しかし、何歳まで生きるかわからないから、積み立てる総額のメドがつかない。長生きするのはよいが、そのときに資金が潰えたら困る。その意味で、思いがけずに生きた後の資金は年金で保障します、というのが年金の基本的な考えだ。
 介護保険とか医療保険とかは人の健康状態によって必要額が異なるから、皆で出し合う「保険」となっている。
 だから、老齢年金も平均寿命以上に長生きした人の思いがけない必要資金のために支給する制度にすべきだ。たとえば、85歳以上の長命者には国で全生活費を支給する制度だけでよいのではないか?もちろんだが、年金制度の発端となった軍人が戦死傷したものを(傷害、遺族)年金で養うようなものは社会的に必要だ。この年金制度をあまねく一般化したことに間違いがあったのではないか?

10/14/2011

世田谷ホットスポットは見つけたのが騒ぎのもと

 世田谷のホットスポットは原発事故由来でなく、区道沿いの民家の床下に「長い間」放置されていた放射性同位体ラジウム226から出た放射線だということがわかった。3.35マイクロシーベルト/時の線量が「長い間」出続けていたことになる。今回の原発騒ぎがなければ、この先ずっと出続けていたことだろう。小中学生の通学路であることから、原因不明の世田谷ガンの流行の元になるのだったろうか?
 それとも何もなく平和な世田谷か?文痴はこちらのほうだと思う。見つけたのが騒ぎのもとだと。

10/13/2011

世田谷ホットスポット大騒ぎ

 東京世田谷区弦巻の通学路で放射線量のホットスポットが見つかった。いろいろな測定値が発表されているが、3.35マイクロSv/時というのが一番高い。通学の小中学生はその区道を迂回するよう指導を受けている。
 たいしたことはない。区道はある巾があるだろうから、ホットスポットの側の反対側を歩けば、距離の二乗に反比例して被曝量は減少する。また、通る時間はせいぜい五秒だろう。一時間に平均したら、3.35/12/60=0.005マイクロシーベルトにしかならない。東京のバックグラウンドの1/10以下だ。その区道の場所にテントを張って住むことになれば別だが。
 文痴は11マイクロシーベルト/時(=100ミリシーベルト/年)まで大丈夫と主張している。放射線過敏列島、11μSvまで大丈夫

10/12/2011

何も決まらない国・ニッポン

 日本は国家意志が決められない国にまたなってしまったのか。戦前、議会制民主主義が機能しなくなり、軍部が独走、それも陸軍海軍が対立し、対戦国の米国にしてみれば、何が日本国の意志かわからない不思議な状態だった。ナチスのドイツと違って、東条英機の独裁ではなかった。
 戦後何十年もたった今日、同じ状況になっている。TPPに参加するのかしないのか。普天間基地の移転先はどうするのか。諫早湾の開門調査では司法の決定に従わない。民主主義で何でも分権はよいが、その結果、何にも決まらないのでは困る。

10/09/2011

風評被害を糺すのがサンマ漁関係者のすべきこと

 北海道の漁業関係者がサンマ漁について規制強化を提案している。福島原発事故地点から100kmはサンマ禁漁としているものを、もっと範囲を広げ、金華山のライン以南を全て禁漁にせよと。たとえ、サンマの放射性物質のベクレル値が規制値以下だとしても、売れなくなるからだそうだ。
 これは消費者の風評による購買忌避の以前に、その誤解を解くという選択と逆に、自主規制で出荷制限をするようなものだ。たぶん、サンマ全体のイメージが損なわれることによる、価格低下を恐れているのだと思う。これでは風評被害を糺していこうという生産者の正しい態度とは言えない。

10/07/2011

小沢氏は国会喚問を早くすませ政治活動を

 小沢一郎民主党元代表への検察審査会の強制起訴と国会での証人喚問要求で政界が大揺れになって、すでに二年以上が過ぎた。代表時代に問題化し、代表辞任、鳩山由紀夫氏が代表になって、2009年の政権交代になった。
 結論がどうなるかはともかくとして、早く決着をつけたらどうか?政治家小沢一郎としても、灰色のままでは思い切った政治活動は出来ない。三権分立だから司法手続きと立法(国会喚問)は同時に出来ないと、小沢氏は記者会見で強弁したが、司法立法がお互いに干渉しなければ分立は守られる。強制起訴がおかしいから、裁判そのものをやめろ、と主張するが、そのことも含めた裁判なのではないか。

10/04/2011

ポピュリズムの舞台裏が丸見え(朝霞宿舎凍結)

 朝霞の公務員宿舎建設の方針が二転三転し、ようやく、野田内閣として建設凍結が決まった。公務員宿舎の需給関係をよく調べて方針を確固としたものにしてほしいが、今回のドタバタ劇は復興増税をいかにスムーズに国民の理解を得られるものにできるか、という財務省の思惑から来ているのは、国民にすべてお見通しだった。野田内閣=財務省は国民の前では裸の王様だ。
 正面から正論で、復興増税の必要性を説明したらどうか?野党の自公も増税そのものには反対ではない。

10/02/2011

消費税率アップの雰囲気作りに復興税を利用している

 税と社会保障の議論に正面切って反対の国民はいないはずだ。現在の社会保障の水準を維持するだけでも、保障対象の人口が高齢化により増えるのだから、消費税などにより広く負担を求めなければやっていけない。
 野田内閣(=財務省)はこの消費税率アップができるかどうか疑心を持っているのではないか。だから、誰もが反対できない震災復興への国民負担(復興税)を、まずは「増税ムード」の導入に使っているとしか思えない。いまは基幹税(所得税)に一定の割り増しを10年程度かけるという政府与党の案となっているが、野党との議論のなかで、この10年が建設国債で決められている60年に近づくことは容易に想定される。「増税ムード」の醸成には少しでも税率アップ(割増率)が実現できればよいからだ。