1/28/2008

証券売買時のばからしさ

金融商品取引法が改正された。改悪なのは以下の部分だ。
「適合性の原則」・・・お客のリスク判断などを確かめるというが、それをわかった上で来店している。
「説明義務の強化」・・・リスク説明部分の虫眼鏡文字を大きくするのは賛成。

国債などの証券を買う際に上記の手続きに時間がかかりすぎる。聞いている方も説明する方もうんざりだ。
こんな無駄なことより、金融機関でリスクをさらにしっかり研究し、客に本当のことを教えてほしい。サブプライムローンを無見識に債券に組み込まれて、それを見破られず、大損を被ったのでは、リスク管理のイロハができていない。インチキ格付け会社などはそのまま信用しないことだ。
日本国債の格付けが低いのは、実は、一般に言われる公的債務の累加ではなく、国家財政投資の方針があやふやだからだというではないか。

1/24/2008

賃金は労働分配率で決まらない

連合高木会長が経営者側に景気浮揚のためにも労働分配率(賃金)をあげることを要求した。立場上許される発言だ。賃上げは労働者個人のためばかりでなく、日本経済のためでもある。
問題なのは、経営者側の「利益の出ている会社にはそのように要請する」との回答だ。

個々の会社は原材料あるいは製品を市場で売買するばかりでなく、労働力も労働市場から適正価格で購入している格好だ。賃金を会社の利潤の都合で上げ下げできない。背任になるかもしれない。
個々の会社がミクロに利潤を追求する結果、合計したマクロの経済が潤う、というのが資本主義の理論だ。そうならない場合、政府など公的介入はあり得るが、個々の会社に要請するというのはない。

森永卓郎氏などが労働分配率を上げるべきだと主張しているが、個々の経営者はあくまで労働市場での「適正価格」で賃金を決めてよい。適正価格が社会的にみて低くなっているのは、おもに中国での単純労働・低賃金労働者の参入による。単純労働の需給が供給過多で、値が下がっている。

1/23/2008

水の経済財としての評価を

バーチャルウォーター(virtual water)なる考えがはやっている。
そもそも水は、大量に使う資源だから、遠方には運べず、地域の資源として位置づけられてきた。
しかし、食料品等の輸入にはその食品等の生育(生産)に要した水資源をその輸出国から導入していることになり、だから、水資源問題は地域(日本だけ)の問題ではなく、全世界で対処しなければならない、との「主張」のようだ。

だからどうした、と言いたくなる。そんなことはわかっている。
水不足の国で貴重な水を優先的に配分され生産された農産物などを、水が比較的豊富な日本が生産せず、輸入すること自体おかしいことだ。水資源の値段が正当に評価されておらず、輸出価格に反映されていないからそうなる。水を経済財として位置づけてこなかったことが問題なのをわかっているのだろうか?

1/18/2008

謝罪要求は国内事情から(韓国)

韓国のイ・ミョンバク次期大統領が日本に対し「過去の反省と謝罪を求めない、実利外交で行く」と宣言した。
当たり前のことだ。過去のことを詮索してみても、国民の幸福にはつながらない。これが韓国国民の総意なのだろう(だから大統領に当選した)。
このことは五年前のノ・ムヒョン大統領も最初は言っていたが、途中から豹変し、執拗に反省と謝罪を求めるようになってしまった。こちらのほうの理由を考える必要がありそうだ。
国内政治状況が理由なのではなかったのか。ウリ党など支持基盤の左派勢力に対するリップサービスだった。左右対立での鬱憤晴らしが外国の日本へのとばっちりになった。
日本も反省と謝罪に「形式的」にしか対応しなかった、とも新大統領はコメントした。無駄な五年間(十年間)だった。

1/17/2008

捕鯨に見る異文化対応の在り方

豪州新政府が南氷洋を領海にしてまで、日本の調査捕鯨を阻止しようとしている。
日本あるいはノルウェイなどは鯨食文化の民族だ。対する、欧米の多数の国は、過去に鯨を鯨油のためだけに殺してきた反省もあるのか、現在は海の野生生物の代表である鯨を保護しようという異なる文化にある。
異文化同志の衝突になるが、そこは、鯨資源を保護するという科学的方法で調整してきたはずだ。

日本には陸上の動物は家畜といえども家族扱いで、屠殺・食用にはしてこなかった歴史があった。それでも、その習慣を他民族の食肉文化に押しつけるという考えはなかったのだ。
異文化同志の対立にはこのような相対性、細心さが求められる。

1/15/2008

地球温暖化でよくなることその3

極地とかグリーンランドあるいは残存する氷河の氷が溶けて、海水面が上昇し、低地とくに珊瑚礁の島々が海没する危機にあるという。
海水面(平均潮位)の上昇はいまのところ観測されていない。これからも危機的に上昇するかはあやふやだ。
しかし、過去には縄文海進期などに、数メートルの上昇があった。これからも、人為的温暖化に限らず、上昇するかもしれない。
その場合、そんなに心配することばかりなのだろうか?少なくとも縄文人はあわてなかった。気候も温暖だったし、縄文期は社会の発展があった。青森の三内丸山遺跡を見てもわかる。陸地は減っても、浅い海が増え、そこは陸地よりも生産性が高いかもしれない。
極地が住めるようになることは言ったが、グリーンランドは文字通り緑の島となる(昔は本当に緑があったという説がある)。
また、関東平野で言えば、東京湾奥の低地から利根川を遡った前橋方面の平地に遷都(まちを遷す)すればよい。新しいまちで新規にやり直せば、それなりの経済効果は出る。首都移転構想はそのような新都市経済の効果もねらっていたのではないか。

1/11/2008

地球温暖化でよくなることその2

可耕地が北に広がる(北半球の場合)のは確かだが、南限(というものがあるとして)が北上しては差し引き広がらない。
熱帯では気温が上がるのか?地球温暖化は高緯度地方で顕著になる、と言われている。熱帯では現在の30数度の最高気温が更に上がるとは考えられない。
それは「水」の存在から言える。水は気化するときに多量の気化熱を要する。だから、それが気温上昇の限度を作るのだ。
一方、低温のほうは水の零度での融解熱(潜熱)が必要だ。それを越えて(下がって)氷となったのちは、低下限度はなくなり、シベリアの奥地のように零下数十度ということもあり得る。
加えて、二酸化炭素の濃度が上昇するので、植物の生育は更に活発となり、農産物の増産につながる。

砂漠では、水の影響が少ないから、更に気温が上がるかもしれない。それよりも、気象を決定する気圧分布地理が変わることは考えられる。そのため砂漠化するところもあるが、逆に農用気候に戻るところも出てこよう。海の環境で海水温上昇による珊瑚の白化(死滅)が観測されているが、新たに珊瑚が生育する海域もできてくるのである。
変化は避けられないが、地球全体では辻褄が合っているのである。
変化には生物自体が適応力をつけてくるし、人間が品種改良でもって適応させることもできる(過去そうしてきた)。悲観でなく楽観で生きてきたのが人間だ。

1/10/2008

地球温暖化でよくなること

地球温暖化で地球環境が悪くなることを列挙し悲観的になっているが、良くなるものもある。
良悪比較考量しなければ、片手落ちになる。

極地の氷が溶けて、とくに、北極の生態系が破壊されるというが、開水面ができ航路(北西航路)が新設されれば、世界の物流に革新をもたらすと言われている。横浜からロンドンへは16,000kmとなり、現在のスエズ運河経由より5,000kmもの短縮になる。これは省エネともなり、温暖化ガスを最も合理的に削減できるという皮肉な結果になる。

文痴が考えるのは、ユーラシア、北アメリカの極地が人の住める土地になる、ということだ。南極は隔絶された大陸だが、北極海沿岸は既存の大陸の続きだから、利用価値は大きい。農作物の北限が広がるから、世界の食糧事情が大幅に改善され、最貧状態の人々へのなによりの福音となるのは間違いない。
以上のように、良くなることの方が悪いことよりも多いのはすぐ分かる。

ちなみに南極はいくら温暖化しても高地(数千メートル)だから、まだ零下の状態で、農産物がとれるようにはならない。北極の海氷は溶けても海水面の上昇にはつながらない。シロクマだけが割を食うに過ぎない。(このテーマ続く)