5/31/2009

冷戦後時代の終焉へ抵抗する国

 北朝鮮が国連安保理の再度の制裁議決を前に、強硬策、崖っぷちの言動に出ている。国家の合理的判断であれば危険な行動には出ないと思うが、何故その様な態度になるのか考えた方がよい。
 国家は滅亡あるいは大変革するときは外部からの力でなく、自らの国内の矛盾などの事情でそうなる。古くはローマ帝国、近くはソ連。北朝鮮もその兆しが出てきているのだろう。国際社会の一員である我が国は、ここは粛々と打つべき手を打った上で、事態を見守るべきであろう。冷戦時代の遺産は冷戦終結20年をもって完全解決するのだろうか?あと一カ国、中国が残っている。その中国の存在も冷戦後時代を長びかせる原因となっている。

5/29/2009

もう買うものがない、経済学者はどうする

 新興国の中国とかインドが世界経済を牽引しているように言われる。中国は年率8%の成長が最低で、それ以上の実績を重ねてきている。先進の日米欧も経済の拡大を目指すべく努力している。しかし、そのような成長が先進国にとって未だに必要なのだろうか?
 中印が二桁の成長を続けているのは、国民生活の豊かさを急激に伸ばしているからだ。消費財で先進各国民と同様なものをそろえる需要を考えたら、二桁成長が当分は続く。中国には沿岸部に続き内陸部に莫大な人口がある。インドも11億人の大半が貧しい。
 日本など先進国の家庭にとってもう「買うものがない」状態に達した。古いものを日本人は「もったいない」からと大事に使う。だからその古いものを下取りすると銘打つセールスも出現した。しかし、無理してお金を使うことはない。日本の経済を、物質的に豊かにするいままでのモードから、転換する必要が出てきているのではないか?ブータン王国でのGNH(国民総幸福度)ではないが、GNPの伸び以外の達成目標の指標を考えるべきだ。経済学者は。

5/25/2009

世襲禁止は憲法違反だが

 国会議員の世襲禁止の各党公約化の動きが進んでいる。小泉元首相の次男はそれならばと無所属での立候補も辞さないとのことだ。しかし、政党政治を目指す小選挙区制への政治改革だったのだから、せめて複数集まって政党を結成して欲しい。「世襲党」と自民党の誰かが名付けたが、それでよいのではないか?世襲禁止は各党の公約に過ぎない。憲法で何人といえど、立候補の自由はある。そのかわりに、自民党あるいは民主党と世襲党の合併は公約上許されない。もちろん政策協定などの院内活動は自由だ。別に「タレント党」というのもよいのではないか?誰が選ばれるかは日本国民の民度の問題だ。進次郎氏が悪いわけではない。

5/24/2009

韓国前大統領の自殺の理由

 韓国の盧武鉉前大統領が自殺した。政敵の李明博大統領政権下で、大統領時代の金銭疑惑を捜査されていた。死者にむち打つことは避けなければならないが、相手は公的人物の最たる者だから、理由ははっきりさせなければならない。疑惑に何らかの根拠があり、いまでも残る政治力へのダメージを結果的に避ける意味もあったのではないか。少なくとも当局の圧力に負けそうになったからではない。かりにも大統領になったほどの政治家だから、そんなに心が弱くはない。
 日本でも、新井衆議院議員、松岡農水大臣の自殺の例があったが、いずれも政治的な敗北から逃げるためだったと思われる。
 韓国の野党ウリ党など故盧武鉉氏の支持者から現政権への恨みの声が聞こえるが、むしろ、盧氏は前政権腐敗の証拠を道連れにしてくれたのだと理解すべきだ。

5/19/2009

世襲の意味がわからない元首相

 小泉元首相が議員の世襲批判に反論している。政治家は有権者に選んでもらわない限り、議員にはなれない、と。そりゃそうだ、個人商店を息子に継ぐ場合よりハードルは高い。しかし、選んでもらう過程で、次男進次郎氏は元首相の応援を得るなどの、地盤も看板も受け継ぐことができる。選挙区を替えてもカバン(選挙資金)を引き継げるかもしれないし、元首相は全国で有名だから、看板(著名度)も引き継げる。一般の政治家志望のタダの人間だったら、以上の戦う条件を何も持っていないところからのスタートになるから、不公平だと言っている。政治家としての資質がより高い人材を選ぶためには、世襲の条件を発揮できないようにしなければならない。この世襲の条件を持って選挙に臨もうとしているから「世襲批判」の対象となっているのだ。元首相もそこのところをわかっていない(わかろうとしない)。
 小泉進次郎氏がそれでも立候補するなら、選挙区を違え、名前は変えれないから、せめて、父親の応援演説を断るくらいのことを最低限しないと、資質が低いが当選したと後ろ指さされるだろう。

日米協調政策的円安と低金利誘導の大罪

 昨日の続き。Nスペを見て、文痴が気がついたのは、日本経済の外需頼み構造化もこの円安期間の後遺症だったことだ。米国はドル高を目指し、金融大国になる。貿易赤字でも、日中両国がその黒字分を米国に投資すれば、全体の収支は改善されドル高に誘導できる。そしてドル高は外国からの米国への投資のメリットともなる。一方の日本は円安で米国への自動車などの輸出に拍車がかかる。自動車輸出産業は円安により実力以上の構造になった。日米両国の短絡的利害が一致して、円安ドル高政策が継続され、そのために日本の低金利政策も資した(昨日投稿文)わけだ。
 以上の円安が解消された今、外需頼み経済に堕した日本の製造業が苦しんでいるのだ。

5/18/2009

長期金利が上がらないので、国債増発が可能

 昨日の夜、NHKスペシャルのシリーズ マネー資本主義「超金余りはなぜ起きたのか」を見た。文痴が以前から主張していた理屈と同じだった。
 昨年秋のリーマン・ショックによる前後の金融信用のバブルによる崩壊は超金余りによるものだった。米国での犯人は前FRB議長・グリーンスパン氏だ。21世紀になってすぐのITバブル崩壊の不況を退治するために、低金利政策を始めたのはよいが、その終わりが遅きに失し、市中マネーがあふれすぎ、投資対象を国際商品の農産物、原油などに求め、価格が急上昇した。そこで氏は(短期)金利を上げたが、肝心の長期金利が上がらないので、バブルが続いた。政策金利は世界同時に協調して上げ下げしなければならないのに、日本だけが低金利政策をとり続け、円キャリー資金という、低金利の円で資金を調達し、米国の金融商品に投資するという、ばかげたことが行われていたのだった。日銀の金利政策の誤りが世界のバブルを招いた、と言ってよいだろう。
 なぜ日銀は低金利政策をとり続けるかというと、政府財務省・あるいは政治家の圧力があるからだ。財務省は国債の低金利だけが関心の対象だし、政治家(国民も)は国債残高を増やさないため、財政支出を増やさず、かわりの効き目のない低金利政策を景気のために使い続けることだけが政策だった。麻生内閣のH21補正予算はそのところの隘路を打ち破る勇気を持って提案された。国債大増発によっても、財務省の危惧する長期金利の上昇気配がないので、正しい政策だったことがわかる。

5/17/2009

民主党は党内融和などしないほうがよい

 鳩山氏が民主党の代表になって、党内融和の人事を目指すという。対立候補であった岡田氏は幹事長に、問題の前代表・小沢氏は選挙対策の要職に、というわけだ。近々には総選挙があり、それで自公与党に勝つのが目的だろう。であるならば、総選挙モードの国民にわかりやすい布陣にすべきだ。鳩山代表の掲げる政策がぼやけるようであれば、国民は判断に迷う。鳩山氏は岡田氏とは違う政策を進めたいから、立候補したのだろう?

 自民党は政権を担っているのに、小泉元首相のときの政策との違いを明らかにするような、かえって党内論争を招く人事、布陣をひいている。逆ではないか。攻める野党第一党・民主党のほうが政策の先鋭度を明らかにしないといけない。

5/15/2009

代表選挙は政権能力の絶好のPR機会

 民主党代表選挙は今週末5/16の土曜日と、短い期間で行われる。この選挙は民主党が次期政権を担えるかの絶好のPRともなるだけに、昨年までの何回かの自民党総裁選でPRしすぎが目立ったのと比較し、惜しい次第だ。
 代表候補が明らかにして欲しいのは、ふたつ。ひとつはマニフェストにもられた政策の財源確保方策の具体的な説明。もうひとつは、小沢前党首の西松建設からの巨額献金受け入れの理由を究明すること(究明のための党内委員会もあったはずだ)。前代表が明らかにしなければ、一切の役職には就かせないという覚悟。後者については、鳩山、岡田両候補とも口を拭っているが、この一点で民主党を政権政党として信用できるかどうかを国民は見ているのだろうと思う。

5/12/2009

金権議員は執行部からも退出せよ(民主党)

 小沢一郎代議士は民主党代表を辞任するだけでなく、党執行部からも去ることが必要だ。今週土曜日の5/16に代表選が行われることを決定する常任幹事会にいまだに小沢氏がとどまっていることからそう思った。一政治家として、政権交代に汗を流すのがよい。また、検察と戦えばよい。
 小沢代表が辞任せざるを得なくなったのは、政治資金規正法違反が理由ではない。この間の捜査で明らかになった一ゼネコンから長年にわたって受けてきた巨額の政治献金の説明がつかないからだ。そういう金権体質の議員が執行部にいるというだけで、清潔さを売り物にする民主党にとってはダメージになる。かつての田中角栄氏のように。同様の政治家は自民党にも複数いるが、自民党はその体質を織り込み済みの支持率になっているから、たいした支障にはならないだけだ。

5/11/2009

高速道路渋滞の主原因は日帰り交通

 1000円高速効果でGWの高速道路は例年になく渋滞が多かったと、総括されている。ここで、渋滞の原因についての通念がおかしい点を、列挙したい。
・高速道路の渋滞の主犯は日帰り交通だ。一日につき一往復の交通量の発生となる。多そうに言われる泊まり交通は日帰りより少ない上に、交通密度としてはそれを日数で除したものにしかならないからだ。証拠は、晴天の行楽日和の日は、連休のどの日かに関わらず、朝夕とも渋滞必至だった。高速道路の整備により、たいていの観光地は日帰りが可能となった。日帰りのほうが安上がりだ。GWの長丁場の休みでは、退屈しのぎにあるいは子供にせがまれて、一日ぐらいは日帰り遠出をしてみようという気になる。この「ぐらい」が積み重なって大渋滞になるのだ。
・今年みたいに長日(4日、3泊以上)連休だと、泊まり行楽(ほとんどは二泊以下)への(からの)交通が分散して、渋滞が平準化する。その場合とくに帰りのピークは、長日の行楽疲れを自宅で解消するため、連休最終日とはならない。ことしは、5/6の最終日は天気が悪かったので日帰り交通もなく、渋滞がほとんどなかった。5/5の深夜まで渋滞が続いたのは、最終日の自宅休養を期待してのことだ。
 以上は鉄道、航空には適用されない法則のようだ。

5/08/2009

書籍の宣伝はやめよ

 近年、書籍の宣伝が新聞紙上などで目立つようになった。本を出版して、ベストセラーにして、たくさん儲けてやろう、という魂胆らしい。娯楽本ならよい。しかし、著者の主張を伝える、本来の意味の書籍までがそのようになっている。本を書いて収入を得なければ文筆家は生活ができない。だから、ある程度は売らなければならないが、必ずしも愛読者でないものにまで、宣伝文句に乗せて買ってもらうまでのことはないのではないか。よい本なら、口コミとか他の雑誌などの書評などで必ず読みたい人には伝わるものだ。
 同じことは映画にも言える。興行成績(収入)にこだわる映画が多すぎる。そのようなものは芸術としての映画ではない。文痴は(有料の劇場)映画を見なくなって四半世紀になる。(TVに後日くるものでたくさんだ、タダだし)

5/06/2009

トラックも高速料金で利便を受けている

 大型連休が終わり、TVではその間のいろいろなトピックスを伝えていた。そのうちで多かったものは、休日1000円高速(普通車以下)の利便だった。その際、トラックなどの大型運転手の「不公平だ」し、渋滞で困ったとの声もあわせ紹介していた。
 大型車にも配慮して以前から深夜割引50%があったし、今回の経済対策でも平日昼間も100kmまでの3割引も導入されている。それを知っていながら、不公平感だけをクローズアップするのはおかしい。さらには、休日のレジャー乗用車で混雑する時間帯に業務トラックを運行させるのも常識外れだ(業務不効率だ)。

5/03/2009

WHOなどはオオカミ少年

 新型インフルエンザかどうかの検査には三段階あるらしい。まずはA型かB型か。Aで残っても、香港型とかソ連型の季節性のものもあるらしい。全ての段階の検査で陽性となって、新型インフルエンザとなるそうだ。
 全て検査してからはじめて新型だったと発表して欲しい。そうでないと、オオカミ少年のことわざ通り、どうせ違うのだろう、となってしまうようになる。