10/31/2017

Jul 14, 2001 :隣の騒ぎは密の味

今回のことに関し猪瀬直樹氏は「マレーシアは先の大戦で日本との間で色々あったが、ただ一つ今言っていることは、日本がイギリスを弱体化してくれたから、戦後早く独立できた、ということだ。日本との関係をよくしたいという努力がマハティールには見られる。比べて日韓は近すぎるのかな?」と言っていました。

なるほど、過去のことをいつまでも言っていても、何の利益にもならない。日本は国を挙げて平和を守ると言っているのだから、それは諒解した上でもうご破算にして、日本との関係では、現在の国民の利益と将来のことを考えて進めた方がよい。

韓国は日本と違って、外交上手(日本以外全ての国にあてはまるが)と言われる。今回のことはいくら主張しても、日本政府がOKするわけはないことは十分分かっているはずだ。数ある教科書の一つに対し、国民に選択の自由を与えない、ということは民主主義国としてはあり得ないことだ。

ロシアが不当にも北方4島を占領し続けても、プーチン率いるロシア国内情勢で、島がいま帰ってくるはずがないことは、日本国民はよく分かっていてあまり騒がない(一部右翼は例外)。プーチンの苦労も分かってやらなくては、良い結果は
得られない。日本の小泉首相の国内事情からの苦労を陰で理解するのが、韓国にとっての外交だ。小泉さんにできないことを延々と言っていても、韓国にとって少しの利益にもならない。

そうなると、韓国政府の目的は、となると、日本国内世論の分断作戦か?新聞読者のAS戦争をあおり立てるのか?

ローマの昔から「隣の国の内紛は密の味」と言うではないか。

または、レイムダック金大中政権末期の政情混乱を、仮想敵日本を作って国民の視線をそらそうとしている、いつものパターンか?

10/29/2017

Jul 14, 2001:アメリカの鏡・日本つづき

アメリカは日本を「征服」しようとしていた。
ミッドウエイ以降は日本の補給がダメになって、作戦活動が満足いかなくなっていたのは、アメリカ軍にも分かっていた。フィリピン奪回までは自国の植民地だったからよいが、南洋諸島は日本の国連信託領だったのに、なぜ血眼になってまで攻めたのか?アメリカ自国には一つの脅威もなかったのに。

沖縄を攻略するのは理屈にあっていない。制海権は完全にアメリカのものだから、放っておいたら島内の軍は立ち枯れるだけだ。硫黄島も同じだ。何故自軍の多大な犠牲を払ってまで制圧する必要があったのか?沖縄の洞窟の中の軍民は、近寄らなければ、脅威となり得ない。穴の奥にいる人々を火炎放射器でなぶり殺しにするとは、いくら戦争といっても、非人道的と言わざるを得ない。

最後には、東京大空襲、広島長崎。非戦闘員を大量に虐殺した罪は、ゲルニカに比される。黄色人種の興隆日本に対し、脅威の虚像を育てていたのではないだろうか?

「虚像」と言えば、教科書問題の韓国もそうだ。「虚像」が育ち、最後は大変なことになる。

10/27/2017

Jul 10, 2001 :アメリカの鏡

ヘレン・ミアーズ「アメリカの鏡・日本」を読んでいます。

彼女は1946年に来日。上記の本はそのときの米国日本占領政策の批判。マ元帥は混乱を理由に和訳を厳禁。最近の1995年に初めて我々日本人も読めるようになった、当時としては超過激な内容だった。

戦争を戦った同士は、どちらも悪いところはある。アメリカはもう一つの日本だ。

ところがアメリカ人の多数はそれがわからず、日本人をアメリカ民主主義で教育してやろうと、単純に信じていた。彼女はそこがたまらなく嫌だったのだろう。

10/25/2017

全野党共闘路線は歴史的に否定されている

小池代表が失言などで自滅した、としか総括されていないが、彼女は何を狙っていたかを分析しないと、今回の希望の党騒ぎがわかったことにはならない。

まずは、従来の枠組み護憲四党(民進、自由、社民、共産)の選挙協力で自公を過半数割れに追い込んでも、そのあとに、細川連立内閣的なものを設立したとしても続かないという歴史の教訓がある。だったら、自民党支持層に大きく手を突っ込んで第二保守党を目指す方が政権に近づく、と比較考量したのではないか?現に、東京都議会ではその方式で都民ファーストと公明で多数派を形成できた。

解党・合流しようとした民進党側の事情(前原代表)にしても、あるとき風に乗って民進党単独政権を樹立しても、党内での政策の違いの巾が大きすぎると、これも長続きしない、という民主党政権での教訓がある。だから、希望の党に集まる政治家の条件を厳しく審査(これを「選別・排除」という)せざるを得ない。
だから、なるべくしてなった結論ではないか?(以下は1993.7.18選挙結果勢力図)

10/24/2017

民進党系は勝った

民進党は解散時には事実上解党していたが、衆院88の勢力だった。それが選挙結果では希望50、立民55の計105に増えた。無所属で当選した大物(19)もいるので、合計すれば大勝利だ。解党分党して切磋琢磨した方が結果は良かった。民進党のままで選挙したら半減するほどの大敗北だったと思う。希望が伸び悩んだのは選挙に弱い前職が希望の党に頼ったが、頼りにならずに落選したのが実情だろう。立憲民主党を立党・参加するような頼もしい前職はもともと選挙には強い。
 民進党系勢力が増えたあおりは共産党▲9、公明党▲5、維新▲3、無所属の減となった。つまり、民進党系は他の野党などの票を奪って勝利したのだ。
 これを狙って(偽装的)解党をしたのだとしたら、相当な高等戦略だ。前原代表が両院議員総会で解党・希望の党への合流を提案し、満場一致で決まったのは、その戦略初段だったとして納得できる。
第48回衆議院議員総選挙(衆院選2017)のニュースや候補者の当落、各党の公約などをお伝えします。開票当日は選挙結果を速報します。
YOMIURI.CO.JP

10/23/2017

自民反自民だけの分析は遅れている

今回の総選挙で「反自民の票が分散した」から野党は敗北した、という分析があるが、それは根拠ないことだ。
 今回の選挙から三極構造になったと言われる。自公と希維(希望・維新)と立共(立憲・共産)とだ。希維と立共は別の考えで反自民となっている。たとえ、立共の思惑通り希維が立候補しなくて、自民と一対一の対立となっても、希維の票は全部が反自民票として立共に流れることはない。反立共票は自民に流れて、どちらが勝つかはわからない。
 立共の方では、最も極端な共産票は立憲にしか流れないので、そこでは(一方的)共闘が成立する。立憲の票は共産だけでなく希維にも流れるだろう。
 すなわち、共産の票だけが行き先が読める票となる。

Jun 16, 2001 :道州制

社会を構成する各組織(会社とか省とか) がそれぞれ競い合うのは、全体が発展するためには必要不可欠なこと。

問題は、それが行きすぎて、全体はどうでも良くなってしまうこと。

それと、国が大きすぎると、社会に寄生するだけの「ぶら下がり」の人がどうしてもふえてしまう。1億2千万の国は大きすぎるので、道州制ぐらいがちょうど良い。外交防衛以外はすべてこの道州に分けたらよい。

例えば僕がもと働いた北陸州だが、4~5県の集合ぐらいで人口1千万くらいだから、欧州で言えば小国、マイステーツと皆が感じることが出来る。

ユナイテド・ステーツ・オブ・ニッポン。

10/21/2017

Jun 15, 2001 :封建制をおとしめる維新政府

江戸時代の藩というのは、封建時代のこととして今の教育では評価が少ないが、対する近世(中世封建制ののちナポレオンなど)の欧州諸国あるいは中国は四千年ずっとそうだが、(封建制ではない)中央集権の絶対王制があって、専制王が国民国家と称し、民衆を徴兵し戦争に明け暮れていた。

その時日本は、確かに鎖国ぼけはしていたが、300諸侯が幕藩体制の平和のもと、藩どうしが殖産興業あるいは学問の普及などを競いあっていた。その積み重ねが、明治維新後の坂を上る原動力になった。

隣の朝鮮は李氏朝鮮の絶対王制で、支配階級の両班制度の弊害があり、日本みたいな近代化の素地が不足していた。

中国は封建制が無く、科挙制度による官僚帝国が続き、易姓革命の連続そして異民族帝国の支配の動乱の歴史で、民族の力が疲弊した。

「封建制が悪い」という歴史教育は、明治政府が維新革命の正当性をPRするため、前時代の江戸期をわざとおとしめるための作り物だったと思う。

昭和の陸海軍の争いは薩長という藩同士の争いではなく、軍の官僚同士の単なるなわばり争いに過ぎないと思う。長州の児玉源太郎は同藩の山県を嫌い、薩の大山巌に心酔した。

10/19/2017

Jun 14, 2001 :犯罪の抑止がなくなる

宅間容疑者の殺人は精神病が原因でなかった。触法精神病患者が無罪になる対応を見越したものだった。

少年法の存在が、少年犯罪を助長しているのと同じ。

精神病患者あるいは少年の人権は大切だが、それだけしか主張されないと、おかしなことになる。

全然別だが、似ていると思うのは、戦前の軍隊のセクショナリズムだ。「日本の戦争」によると、海軍が戦争に反対しなかったのは、海軍予算が増え好都合だからと言う。それだけの理由で1年しかもたない対米戦に同意したというのだ。陸軍は陸軍で、蒋介石相手の戦争を講和したくなかったから、対米交渉に同意せず、両軍あわせて個別の要求が通って、日本全体が破滅に向かったとのことです。

今度の犯罪も先の戦争でも、日本という国は、個別の意見が通って全体が駄目になるという、おかしな国だと言うことでしょうか?

10/17/2017

Jun 13, 2001 :ダイオキシンのこと書き忘れた

ダイオキシンは旧式炉とか野焼き(家庭用焼却炉など)の燃焼環境がコントロールできない場合発生する。

ゴミに塩ビとかの塩素源が入ることも原因だが、食物残さなどにもあり、塩素での対策は不可能。燃焼温度を800度以上にし、排ガス処理施設のところでは200度以下にすることでDXNはほぼ発生しない。

今、平成14年の期限までの改修工事で各自治体で忙しい。

さらには、ガス化溶融炉というのがある。ゴミを蒸し焼きにして、出てきたガス分を理想燃焼させる仕組み。灰は、高温燃焼のため、ガラス状になって出てくる。再利用できない雑多なプラスティック類も無害に燃焼できる。折角分別したのにという奥様方の声が聞こえそう。

でも、不燃物でそのまま埋め立てするより、衛生的な灰にしてかさを減らし埋め立て地の寿命を延ばす方がよい。

10/15/2017

Jun 12, 2001 :リサイクルしてはいけない?

このテーマはゴミ問題(に出口なし)にも関係します。

出口は再資源化のためのリサイクルしかない。燃やして灰にして埋め立てても、狭い日本にもう埋めるところもない。

しかし、むやみにリサイクルしても不合理なこともある。リサイクルの常識を疑ってみることも必要、というのを、「リサイクルしてはいけない」と何かのまねをしたキャッチフレーズとなったのであろう。

一例ですが、再生紙の値段はバージンパルプを使った白紙に比べ少し高い。値段が高いということは、輸送費なり、処理費なり、をより浪費することになっているからだ。だから、この場合、古紙をリサイクルする方が資源の無駄遣いとなる、というもの。紙は燃やしてできれば熱回収した方がよいのでは、という問題提起をしている。

この理屈はおかしいことが証明されるのではないかと考えますが、皆さんはどうですか?
また、ほかに似たような格好の例はありますか?
ペットボトルは燃やした方がよい?溶鉱炉で還元剤(コークスの代わり)とする方法もあります。

10/13/2017

Jun 4, 2001 :ローマ人のインフラ観

塩野七生はローマ帝国の繁栄の基本はローマ街道などのインフラストラクチャの充実だと言っている。

ちょっと脇道。
国土交通省の略語は、mlit.ミニストリー・ランド・インフラストラクチャ・アンド・トランスポーテイション。

軍事力の基本は、将棋と同じく、戦いの地点に如何に速く多くの戦力を投入できるかにかかっている。ナチスドイツも国内にアウトバーンを整備し、東西両戦線での兵力配置を自在にした。鉄道もそうだ。

日露戦争時のシベリア鉄道は単線だったため、木製貨車は帰りは邪魔となるので、上部は燃料用として廃棄し、車軸だけにし、まとめて送りかえしたそうだ。

菅幹事長あるいは小泉首相が公共事業削減を言っているが、必要なインフラは今後とも当然整備するという前提で不要なものを中止することは、ローマ人の知恵から言っても当然だ。

ローマ人の物語を読んで、それが成功の秘訣の一つであると感じました。というか、彼女がそう書いている。

10/11/2017

Jun 1, 2001 :大連旅順にてその2

以下、中国連邦国家論。

江沢民ひきいる中国は自身が反対する軍事覇権国家そのものだ。世界の諸国間でもっと協調していけば、優秀な中国人のことだから、過去の不幸な王朝時代から真に脱皮できること間違いない。現在は清末期からの軍閥割拠(国共時代も含み)混乱の時代をへて、毛ー鄧「王朝」であると位置づけられる。この間、毛と鄧の間で内戦(内紛…大革命)があったが、疑似共産党王朝に代わりはない。

ヨーロッパでは同じ面積に数十カ国がひしめき、近代には国民国家が誕生した後、切磋琢磨し中国まで支配下に置く力を付けた。中国だって、数カ国に分かれていても良い。お互いに競争しあえばよいのだ。

東北地方旧満州の大連でそんなことを考えました。大連の人のエネルギッシュさを見て、石原莞爾の王道の国造りが良い意味で続いていたらそうなったのかなと想像しました

10/09/2017

May 30, 2001 :子は親の背中を見て育つ

団塊の世代とその子供たちすべてが悪いとは言っていません。

17才の事件が多発したとき、学校の責任を云々されていたけど、週40数時間だけの学校だけでは無理です。

親がいけない。9割方は親の責任。子供の手本とする大人はまずは両親。17才の親のプロフィールを紹介すべきだ。大体はとんでもない人か、インテリであっても無責任性格だろうね。親は未成年でないから公表してよいし、育てた子供に対し社会的に責任があるよ。

今の若者(そして親たる団塊の世代)の不幸は、アイデンティティの欠如だ。坂の上の雲の時代には当たり前のようにあったものだ。今は「豊かさに負けた」のですね。

豊かになろう、昨日より良くなろうという目標が達成されてしまうと、並の人間であればあとは下り坂。

勇猛果敢だったニューギニアの現地民を文明の前に連れ出し、服を着せて、酒の味を覚えさせると、しまいには廃人同様になってしまう例と今の日本の若者の無気力とは似ている。

団塊の世代は豊かになろうという目標があったのだから、子供にもその時代の苦労体験あるいは目標達成まで「我慢」が必要なことなどを教えないと

10/07/2017

Apr 18, 2001 :国民の道徳

西部邁「国民の道徳」を読破(実感が出ている言葉だ)した。

かの有名な「国民の歴史」の姉妹本だが、似ても似つかない内容だった。現代の人間は過去より「進歩」するという不遜な考えを持ってはならない。伝統の方が正しい場合が、日本の現状から見れば、多いとし、戦後似非知識人による進歩史観を全面否定する内容でした。

小生は著者と全面的には同じ意見ではありませんが、ああ、すごい内容だった。

10/06/2017

Mar 3, 2003 :平和を叫ぶ危険

遠い国での人のことを思って、戦争に反対するのは、そのことだけだったらいいことに違いない。世界中誰も反対しない。ブッシュ大統領もだ。

問題は、独裁者がそれを利用して、自分の立場を有利にしていることだ。

日本にとって重要なのは、近間の問題だ。米国の軍事力がなければ、国を守れない。いま、危機が目の前にある。そうだったらどうすればよいか、自明のことではないか。

平和を守るかどうかという「純粋まっすぐ君」の議論は、この期に及んでは、不必要なばかりか、有害だ。

関係ないことに自分の気持ちを大事にするだけで、結果として身が危なくなって良いのだろうか。

10/01/2017

民進党は政党と言えるのか?

いまは事実上なくなった民進党(民主党)のことなので過去の検証になる。

政党というのはそのメンバーにおいて基本政策の一致がなければならない。というか、基本政策が一致して政党を結成する。ところが、安保法制のような国家の基本政策で、二年前に一致して反対を絶呼したはずの一部議員が、今回、安保法制原則賛成を基本政策としている希望の党に馳せ参ずるという。

民進党(民主党)は政党の体をなしていなかった。だから、民主党政権は自壊した。今回、民進党が自ら事実上解党し、希望の党、無所属などに分かれることは政党のあり方の上で正常化したことになる。国会の構成で、自公の既存保守、希望の党などの「改革」保守、国家政策などで保守とは違う「確かな」野党へ三分されるだろう。

ドイツでは有力な政党が数個存在し、選挙結果によっては少数政党も含めて連立内閣が結成される。その際、政党間の政策協定があり内閣がスタートする。日本の民進党(自民党も?)のように各党内に基本的な違いが残っている、ということはない。

今回の総選挙の結果、どのような政党分布になるかはわからないが、各政党内での違いは残さずに、与党に参じる政党間の政策調整議論で主権者に示してもらうことが、政党政治が成熟したことになるだろう。