2/28/2011

年金だけで老後をまかなう無理(主婦の無年金問題に思う)

 日本の年金は個人に対する制度となっている。だから、専業主婦でも、夫が会社員の場合で年金保険料は夫の厚生年金に対して二人分払うが、主婦は払った意識がないまま第3号被保険者として位置づけられている。今回の問題は、そのような制度的欠陥から、夫が退職後、主婦が60才になるまで三号被保険者(専業主婦)から一号(国民年金)に移らなければならないのに、未払いとなり、その間の分は年金未納(将来はその分は年金減額)となることだという。それらへの救済策として過去2年分を遡って支払えばそれ以前の分は納めたことにする現制度に批判が集まっている。
 その批判はあたっている。支払に応じて年金額が決まるという平等性が崩れる。
 しかし、そもそもは年金に対する考えが違うのではないか?
 年金は世代間の応援だとしたら、応援した分(保険料を支払った分)あとになって、若い世代から応援してもらう、ということだろう。だから、年金をかけることは基本は任意でよいのではないか?老後の資金は自分の労働期における蓄えを当てるのが基本だ。それに加えていくばくかの年金があてにできるなら、蓄えは少なくてよいし、死ぬ寸前まで確保しておく必要もない。その程度のものだ。
 年金だけで老後をすべてまかなうというのは、まっとうな人生設計においても、国家財政の負担の限度からいっても、おかしいのではないか?

2/27/2011

解散後の政治空白は問題ない

 菅内閣は衆院の解散総選挙を回避する理由として、政治空白の恐れを言う。本当は負けるとわかっている選挙を避けているだけで、それはそれで理由にはなっていると思うのだが。
 政治空白と言っても、解散から告示、投票、組閣までせいぜい一ヶ月半くらいのものだ。その間は菅内閣が存続しているから、立法案件以外は行政での政治主導ができる。それよりも、今のねじれ状態の方がよっぽど政治空白状態ではないのか。予算の執行もできない。
 総選挙で衆院の直近の民意が出れば、各党ともそれには従わざるを得ない。小泉内閣の時の参議院の郵政民営化反対勢力も他院の勢力変化を見て、従ったではないか。

2/25/2011

アルカイダは独裁者と反体制国民の共通する敵

 日テレ24ニュース2/25から

〈混乱が続くリビアでは、首都・トリポリ周辺の都市でも、カダフィ政権への包囲網が狭まっており、反政府勢力は、第3の都市・ミスラタも制圧した。「この反乱をあおっているのは(国際テロ組織の)アルカイダと(その指導者の)ビンラディンだ!」-カダフィ大佐は強気な発言を繰り返しているが、東部は完全に反政府勢力が掌握している。また、国境近くの町では、離反した軍の兵士などが治安維持にあたっている。〉
 アラブの独裁者たちはアルカイダと対立しているようなのが初めてわかった。してみると、今は亡きイラクのサダムフセインもアルカイダとは敵同士だったかもしれない。米国ブッシュ前大統領はイラクは大量破壊兵器を隠しており、かつ、アルカイダの「避難場所」を提供している、ことをイラク戦争の理由にしたが、ふたつとも無実だったことになる。
 また、アルカイダはリビアの(反体制の)穏健な国民にとって、独裁者カダフィとも共通する敵だったことになる。

2/24/2011

中国は対民衆革命で北朝鮮と一心同体

 以下、産経新聞WEB2/24より、
韓国紙中央日報は23日、外交消息筋の話として、中国の孟建柱・公安相が今月13日から朱霜成・北朝鮮人民保安相の招きで訪朝した際、中東で広がる独裁政権崩壊と民主化の余波が北朝鮮に及ぶのを防ぐための措置を協議したと報じた。報道によると、中国は中東全域に展開するネットワークで集めた情報を北朝鮮側に示し、チュニジア、エジプトなどの政権崩壊の背景や北朝鮮内の反政府活動を防いで体制を維持する方策を話し合ったという。特に最近、脱北者系メディアに北朝鮮の内部情報が漏れていることから、中国側は携帯電話の追跡技術を供与。北朝鮮は即座に国家安全保衛部などの保安機関を投入して情報流出源特定のための取り締まりを強化するなど反政府動向への監視を強めているという。「盟友」とされたルーマニアのチャウシェスク大統領が1989年、民衆に処刑された際、金正日総書記は民衆蜂起の恐ろしさを認識し、経過と対処法を入念に研究したとされ、中東の民主化の波にも重大な関心を示しているとみられる。〉
 中国はアラブ民衆革命の波が北朝鮮と中国自体へも影響しないよう、北朝鮮と協力体制にある。これからは、中国と北朝鮮は一心同体と見なさなければ本質には迫れないだろう。

2/23/2011

カダフィと中国共産党は同じか?

 中日新聞WEBニュース2/23によると
反政府デモが続くリビアの最高指導者カダフィ大佐は22日の国営テレビを通じた演説で「デモ参加者には死を。根こそぎ掃討する」と述べ、徹底弾圧を続ける姿勢を示した。一方、デモ隊対策の要である公安相が同日、政権離脱を表明するなど閣僚や外交官の離反は日ごとに増えており、カダフィ政権は孤立し、末期的な様相を呈している。演説でカダフィ氏は「最後の血の一滴まで戦う。(中国の)天安門事件のようにデモ隊をたたきつぶす」と徹底抗戦の構えを強調。「あえてこの地にとどまり、殉教者として死ぬつもりだ」とも述べた。〉
と報じられている。

 カダフィ大佐は中国の天安門事件当時の共産党政権(今も存続)と自国民に対する価値観を共有している。いまの中国政府はカダフィのリビアと同じなのだろうか?聞いてみたい。

2/21/2011

中露に対し嫌がらせ外交を

 国と国の外交は戦争にはならない戦いだ。相手国のいやがることをシレットしてやってのける。机の上では握手しているが、下では蹴り合っている、それが外交だ。ロシアも中国も日本に対し領土問題などでこの外交をしている。日本も見習うべきだ。
 アラブの民衆革命が中国にも波及しつつある。ここで日本としては中国のいやがることをすべきだ。国民へのインターネットの遮断を中国は巧妙にしているが、日本の技術力で外からそれを解放できないか?世界の動きを知ることができるNHKの海外向け放送を中国政府は遮断することもあるらしい。だったら、日本の放送衛星から中国人が直接見られるようにしたらよい。いままでは無料で見られるのを防止していたようだが。
 ロシアでもチェチェンの独立運動を助けたらよい、日露戦争時代の明石大佐のロシア革命支援のように。

2/18/2011

海兵隊だけでは抑止力ではない(鳩山氏の真意)?

 鳩山由起夫氏が沖縄地元のメディアのインタビューを受け、そのなかで「抑止力は方便」の衝撃的発言をし(実際は、記者の質問の中の「方便」を否定しなかった)、また、その後の東京での釈明会見をみると、真相は以下の通りのようだ。氏は沖縄の海兵隊の抑止力は認めていないが、在日米軍の陸海空海兵隊の四軍が全体として抑止力を維持していることは認めている。だから、その一部である在沖海兵隊だけでは抑止力はないと考えたが、辺野古に移転先が戻るための「方便」として認めたことにしたそうだ。
 でも、全体で抑止力を維持している一部はやはり抑止力ではないのか?その点の理屈がよくわからない。

2/17/2011

築地移転反対の知事候補を出すべき(都議会民主党)

 地方自治の二元代表制の問題が指摘されている。東京都も地方団体だ。首長の石原知事と民主党が多数を占める都議会の間で築地市場の豊洲移転問題の決着が暗礁に乗り上げている。幸いこの4月には都知事選挙がある。四選出馬が噂されている石原知事が当選すれば、都民の民意は「移転」の方だということになる。直近の民意が二元代表制の矛盾を解決する。石原知事に代わる自公候補が出て当選しても同じだ。
 民主党は当選の見込みが薄いところから独自候補は出さないかもしれない。でも、そういうことではなく、築地移転反対ならその政策を掲げる民主党系候補を出さなければ、築地移転反対を引っ込めないとおかしいことになりはしないか?かりに落選するとしても立候補させないとおかしい。不戦敗は許されない。
 その点、共産党は小池氏を擁立し、つじつまは合っている。渡辺美樹氏の政策は民主党系ではない。うわさされる東国原氏はもっと違う。

2/16/2011

春日一幸「理屈は後から貨車で付いてくる」(鳩山由紀夫氏へ)

 鳩山前首相は、2月12日までの地元紙のインタビューで「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で、理屈づけしなければならず、考えあぐねて『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」と語ったと報じられた。
 方便の意味は、「ある目的を達するために便宜的に用いられる手段、てだて」だそうだ。インタビュー内容に即していうと、「目的」は「辺野古に戻る」、「便宜的な手段」は「抑止力」となる。つまりこれは一般的な言葉に戻すと、政府の目的を達成するための理由を説明するのに便宜的手段を使わざるを得なかった、ということになる。しかし、総理あるいはすべての政治家の言葉として適当なのは、「抑止力」のために「辺野古に戻る」という論理順だ。
 目的が先に決まり、理屈はあとで便宜的に決めざるを得なかったというのはどこかで聞いた政治家の言葉だ。春日一幸氏が民社党委員長当時、自民党国対側の主張を「理屈は後から貨車で付いてくる」(自民党も民社党も実利が大切)と評したのと似ている。鳩山氏は当時の自民党並みの古い政治家だが、当時の自民党国対は「理屈は後から」ということは決して言葉にしなかったところが違う。敵対する春日氏だからばらしたのだ。 
 15日、鳩山前首相は、方便発言に対して「質問の中でね、『それは方便ですか?』って聞かれたら、『そういう側面もあるかな』という反省の中で申し上げたんだけれども」と釈明した。酷評を和らげるのに、質問に答えた場面だったし、「側面」と言ったと薄めても同じことだ。

2/14/2011

首相は「方便」でなく「信念」を

 鳩山由紀夫前首相が昨年普天間移転問題で「最低でも県外」を撤回し、辺野古への移転を決めた理由の米海兵隊の抑止力は「方便」だったと言い訳した。
 日本の最高権力者だったら、方便は使わなくても自分の思うとおりしたらよかった。自主外交が信念だったので、米国とあくまで沖縄の基地の撤去を交渉すべきだった。それではうまくないことがわかっているから、「方便」という理由で自己の信念をその場は隠したことにしたのだろう。だったら、死ぬまで隠し続けるのが元首相の立場だ。
 次の菅首相も市民運動家としての長年の信念を隠しているみたいで、それが地位にとどまるための方便のように見える。

2/10/2011

幕下定年で第二の人生へ

 大相撲に入門の若者は当初はすべて最高峰の横綱を目指すのだろうが、途中でコースが二手に分かれるのではないか?下のコースでの(隠れた)常識行動は、十両にまで上がって何年間かその地位を保てば引退後親方として残れる、すなわち、相撲協会の一員として老後まで生活の不安がなくなる、というものだろう。その何年かを保てずに幕下に落ちたら、これから上がっていく若者と一緒に付け人なんかしていられない。
 確信を持って言っているわけではないが、八百長相撲はこのクラスにほぼ限定されるのだろう。上のクラスでは昇進のほうがメリットは多い。
 下のクラスの常識を「ガチンコ」のほうに転換させるには、携帯と通帳を提出させ厳罰で臨むだけではうまくいかないだろう。幕下(すなわち、付け人)の定年制を引いたらどうか?ある年齢以上で幕下以下にとどまり、あるいは、十両から転落し再び上がることができなければ、本人にとっては退職金をもらって相撲以外の道に進んだ方が人生として有意義だ。相撲で定年でも、社会ではまだ若い。
 ついでに、大関を最終目標とする力士が多すぎるので、たとえば、二桁勝利が二場所つづけてなければ関脇以下に降格(いまは負け越し二場所)というのはどうか。

2/09/2011

農産物輸入は援助にもなる

 日本がTPPなど自由貿易体制を推進する立場にある理由として、「日本は資源が少なく海外から輸入しなければならない。そのためには工業製品を輸出しなければ外貨が稼げない(加工貿易)。だから農産物の貿易も含め、世界の自由貿易体制の一層の推進を先頭に立って図らなければ国が立ち行かない」とするのは正論だ。
 この正論に以下の「貿易が成り立つ比較優位の原則」も付け加えるべきだ。
 貿易は二国間で比較して優位な商品がその対象(優位な方から輸出)となる訳ではない。各々の「国内で比較して優位」な商品が輸出され、そうでないものは輸入されるようになる。そうでなければ、輸出入の金額のバランスがとれず、すなわち貿易が成り立たない。日本で言えば、工業製品は国内で比較優位で、農業製品は比較劣位(おおざっぱに言って)なのだから、農業製品を輸入するようになるのは貿易上当たり前のことだ。
 さらに、貿易には低開発国の支援という意味もある。支援のためにお金とかものとかをやっても、それがなくなったらそれで終わりだ。継続して生きる術、すなわち、産業を振興し、またそのための人材を育てる援助方法が必要だと叫ばれている。低開発国では農業が国内では比較優位な産業だ。だから、先進国は上記の原則からいえば、「農業製品をできるだけ輸入してやることが最大の援助」ということになりはしないか?欧米諸国と日本が自国の農業の保護しか考えていないのはおかしい。世界の貧しい国(国民)も助けるべきだ、貿易で。

2/07/2011

憲法上の通信の秘密保護と携帯記録の開示との関連

 八百長の噂が絶えなかったのは、当事者が白状しないとその証明にならないからだ。別件で押収した携帯電話の通信記録から間接的に「白状」させられた格好だ。
 ここで、通信の秘密の保護はどうなっているのだろうか?通信の秘密は保護されるべきだと、憲法21条にある。犯罪の捜査のためだったら、電話の傍聴は許されることになったが、これとの関係は?また、一色海上保安官のユーチューブへの投稿記録をGoogleが捜査当局へ提出したのは通信の秘密保護に反しないか?

2/06/2011

大相撲八百長は「やわらかなボール」とは違う

 大相撲は日本古来の神事を引き継ぐものだから、勝負一辺倒ではなく、ある程度の「人情」が入ってよい、との根強い意見がある。江戸時代から「八百長的」なものは存在していた、と。
 文痴は違うと思う。神事には違いないし、その意味でガッツポーズが許されないのは賛成だ。しかし、そのうえでの実力のスポーツだから、本場所は人気を持ち続けたのだろう。世の中には実力以外の「人情」がありすぎる。人情に無関係のものにとっては「情実」に与れなかったことになり、いくら実力を磨いても、無駄だと言うことになる。だから、実力100%のスポーツに人気があり、その証拠に外国人すら横綱になれる、ということがあったのだろう。
 もし、人気を持ち続けられたいのなら、曖昧な決着は許されることではない。
 テニスの美談で戦前の日米の試合で、相手が滑って転んだので、「やわらかなボール」を打ち返し、拾えるようにした、というのがあった。これは美談かもしれないが、誰にでもその意味がわかるので、隠れた取引となる八百長ではないだろう。

2/03/2011

八百長の証拠を野球賭博の押収資料から流用(許される?)

 大相撲の八百長はよくないことだ。いくら興業だといっても、プロレスとは違い、ファンは真剣勝負を求めている。ただ、八百長は犯罪ではない。大相撲は外部の賭の対象にはなっていないからだ。
 ただ、力士の野球賭博(これは犯罪)の関連で押収した携帯電話記録から関係ない八百長の証拠を見つけるのはどうなのか、と思ってしまう。裁判所から出される強制処分のひとつの押収には、対象の犯罪が限定されているのではないか。

2/02/2011

インターネットで草の根情報交換は「神話」なのか

 エジプトの民主化を求める国民の動きを邪魔するためにムバラク政権は国内のISP(プロバイダー)に指示し、全土でインターネット接続をできなくした。チュニジア政変でツィッターあるいはface bookが大きな役割をした教訓によるものらしい。中国で日常行われている「検索妨害」と違い、全面的に遮断するのは大胆としか言いようがない。
 インターネットが国民の草の根の交流を可能にする、というのは権力に対してはほとんど無抵抗になるらしい。無国籍あるいは外国の中継業者を経由したインターネット網への接続というのはできないものか?