2/16/2011

春日一幸「理屈は後から貨車で付いてくる」(鳩山由紀夫氏へ)

 鳩山前首相は、2月12日までの地元紙のインタビューで「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で、理屈づけしなければならず、考えあぐねて『抑止力』という言葉を使った。方便と言われれば方便だった」と語ったと報じられた。
 方便の意味は、「ある目的を達するために便宜的に用いられる手段、てだて」だそうだ。インタビュー内容に即していうと、「目的」は「辺野古に戻る」、「便宜的な手段」は「抑止力」となる。つまりこれは一般的な言葉に戻すと、政府の目的を達成するための理由を説明するのに便宜的手段を使わざるを得なかった、ということになる。しかし、総理あるいはすべての政治家の言葉として適当なのは、「抑止力」のために「辺野古に戻る」という論理順だ。
 目的が先に決まり、理屈はあとで便宜的に決めざるを得なかったというのはどこかで聞いた政治家の言葉だ。春日一幸氏が民社党委員長当時、自民党国対側の主張を「理屈は後から貨車で付いてくる」(自民党も民社党も実利が大切)と評したのと似ている。鳩山氏は当時の自民党並みの古い政治家だが、当時の自民党国対は「理屈は後から」ということは決して言葉にしなかったところが違う。敵対する春日氏だからばらしたのだ。 
 15日、鳩山前首相は、方便発言に対して「質問の中でね、『それは方便ですか?』って聞かれたら、『そういう側面もあるかな』という反省の中で申し上げたんだけれども」と釈明した。酷評を和らげるのに、質問に答えた場面だったし、「側面」と言ったと薄めても同じことだ。

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