8/31/2013

今年の予算要求は実質シーリングがない

政府の政策を進めるにはほとんどが予算の支出を伴う。その点、予算配分作業は政府の最重要な仕事だ。予算要求は政府の各部局からなされるが、明らかに不必要なものはない。それらをまとめた歳出をある枠内にとどめるためには要求額を査定する作業が不可欠で、政府予算案をまとめる財務省と内閣の政治判断、そして国家予算とするための国会審議などで、毎年の恒例行事化している感がある。

しかし、決まって出る批判に、「無駄遣い予算」というのがある。国民の選んだ内閣とそれを審議する国会が「無駄はない」と判断した予算だ。無駄だと思うなら、その予算を通した国会議員を次の選挙で落選させることしかないのではないか?

財務省への予算の要求に際して、シーリングをかけている。各省ごとに要求を限度額以内にあらかじめ抑えよ、という制度だ。要求額を厳格に査定できるなら必要のないものだ。

たとえば、公共事業費はシーリングが一律前年比10%減だ。しかし、特別枠でその1.3倍までは要求できる。ということはシーリングは0.9*1.3=1.17倍までよい、ということになる。すべての要求額が17%増までとしたら全体予算枠を超えるから、査定が必要になる、というわけだ。

8/30/2013

TPP交渉が秘密なのは理由がある

TPPは多国間の交易での規制を緩和することにより、よりグローバルに各国の経済を発展させようとするものだ。全体として各国ともWin-Winにならなければ意味がない。そのうえでもちろん外交交渉だから、譲る部分と獲得する部分が出てくるので、各国の国内事情から個別反対議論が出るのを防ぐ必要がある。だから、役人同士が秘密裏に交渉し、最終的には各国政府の政治決断で交渉をまとめていく、という方法をとらざるを得ない。政治家がその内容に干渉できるのは国会での批准手続きにおいてである。

「聖域なき交渉を前提としない」(二重否定文)という自民党の公約は、その前提でも交渉すれば譲る部分があるので結果的に聖域がなくなる、ということもありうる(公約違反でない)。「聖域を守る交渉をする」(肯定文)ではない。

8/29/2013

未知の危険を拒否しているだけで、武士の心ではない。

人は必ず死ぬ。しかし、死に方にはこだわりがある。武士は切腹の上、介錯してもらうのが、死の最高の儀礼を受けたことになる。新撰組の近藤勇は武士ではなかったし、勤王の志士を多数殺したので、斬首という罪人扱いを受けた。

現代の人間にも死に方は問題らしい。津波で二万人が死んだが、そちらは自然災害としてあきらめがついているらしい。これからガンの原因になるかもしれない放射線のほうには強い拒否反応を示す。ただ、ガンで死んだからといって、それが原発事故の放射線の影響かどうかは死んでもわからない。もともと約半数の人がガンで死ぬからだ。

BSE牛肉騒ぎの時も完全対策を要求した。いつかは死ぬにしても、狂牛病?で狂い死にはしたくない。

日本人は武士の心を受け継いでいるかというと、それとは違う、未知の危険には激しく反応するようだ。

8/26/2013

すぐに止まる鉄道がその衰退を招いている

路面電車(LRT)が復権している。モータリゼーションで都市内道路の邪魔者だったのが、いまは邪魔ではないのか?

ヨーロッパの都市には必ずといってよいほど都心に路面電車がある(継続されている)。米国のような極端な都市構造、すなわち、都市内ハイウェイと高層ビル化、でなければ地下鉄かあるいは安価な路面電車が必要だ。

その反面、郊外鉄道が衰退している。これは、鉄道経営が、安全上の各種の規制により、厳しいからではないか?規制のひとつは鉄道特有の閉塞区間の存在だ。信号と信号の区間には一編成の列車しか入れないあのやつだ。これが輸送能力を極端に減じている。路面電車は鉄道なのに、この閉塞区間がない。自動車と同じく車間距離確保は運転手の目に頼ってよいからだ。

ほかにも都市内鉄道を含め、安全第一から事故現場等での運行停止が多い。最徐行して通過すれば安全を確保できる場合は、動かして、少しでも輸送能力を発揮させるべきだろう。

8/21/2013

最高顧問は名誉の「称号」にすぎないはずだ

菅直人元首相が参議院選挙で東京地方区の無所属候補を支援した問題で、民主党の最高顧問の「役職」を解任された。

最高顧問が役職とはびっくりした。元首相だから敬意を表して「最高顧問」の「称号」を与えられたものだと思っていた。「役職」だと思っているから、その前の鳩山氏共々よけいな活動をしてしまう。

8/18/2013

産業革命がイギリスで起きたのはたまたまだ

17世紀末から18世紀にかけて英国で産業革命が起きたのは別にイギリスとかヨーロッパの技術力が高かったからではない。そのような技術が必要とされた経済状況だったからだ。

技術力はアラビアのものが優れていて、それらをヨーロッパは学んでいた。さらにはインド、中国由来の革新技術は多い。技術はアジアから欧州に伝わっていたのだ。

産業革命は機械力で人間労働を置き換えようとするものだ。アジアでは食料品生産など産業力でヨーロッパを凌ぐ経済力があり、その結果、人口が増え、さらに安価な食料品などによる労働力単価の低廉により、機械力で置き換える必要がなかっただけだ。

アンドレ・グンダー・フランク「リオリエント」を読んだが、以上はその内容の一部となっている。フランクは二千年紀はじめの宋朝以来アジアが世界経済の中心であり、1400年代にヨーロッパ人がその経済に参入して、グローバル経済が始まったとしている(1990年からではない)。1400年から1800年までは圧倒的なアジア(インド洋~東南アジア~東アジア)中心のグローバル経済で、進出したポルトガルはごく一角を占めていたに過ぎない。インドの高度に発達した紡績業の前にイギリスは銀貨(アメリカから強奪したもの)で輸入するのみ。

それが産業革命後の1800年からこの2000年頃までわずか200年間ヨーロッパ中心(北アメリカも)の経済に戻っただけ、ということらしい。この三千年紀からはアジアに戻ると言うが、中国がこの体たらくでは?

8/16/2013

米国こそ靖国妨害の隠れた首謀者その2

米国は先の対日戦争で数々の戦争犯罪を犯している。

広島長崎の原爆投下はハーグ陸戦条約の交戦者以外への攻撃にあたるので、殺人も許される戦争行為に規定されない、すなわち単なる殺人犯罪だ。東京空襲ほかの都市への爆撃も同様。終戦処理の東京裁判では、平和に対する罪など事後法による不当な裁判を強行し、国家を裁くところがA級戦犯など個人の犯罪に無理に転嫁した。さらには禁じられている占領地の憲法を制定し強制した。

数々の罪の意識は当然米国当局にもあった。だから、南京事件など日本軍の罪を捏造して、自らの罪から目をそらせようとしたのだ。最近では、従軍慰安婦の問題が(朝日新聞により)捏造されたのも奇貨として、慰安婦一般問題にすり替えて日本たたきをしている。すべては、自国の立場を有利にしようとする大国のエゴからだ。

日本軍も蒋介石の重慶に無差別空爆をした。これはこれで謝罪をしなければならない。

8/15/2013

米国こそ靖国妨害の隠れた首謀者

終戦直後、占領軍によってWGIP(ウォー・ギルド・インフォメーション・プログラム)という日本占領管理政策がなされた。日本人に戦争への罪悪感を植え付けようという見えない措置だ。江藤淳氏はそれを「閉ざされた言語空間」で暴いた。

このWGIPが図らずもずっと続いているのではないか?例えば靖国神社を軍国主義の象徴化する。米軍占領下では廃社の危険性まであったと聞く。戦死者は靖国で祀られると信ずれば、決死の突撃も可能となる。それが日本軍の強さの理由であるとするなら、靖国を廃社できなくとも、参拝に躊躇する世論を作ることがWGIPの効果的な方法となりうる。

中韓両国はその米国の隠れた意図を単純に援用しているだけではないか?かつて毛沢東は国共内戦時に三つ巴の日本軍に結果的に助けてもらったと感謝した。三国志なみの歴史観だが、その中国だからいまは日本たたき(弱体化)に「援用」するのも孫子の兵法(戦わずして勝つ)なのだろう。韓国は日本憎しの感情励起の「材料」に単純に好適だと考えているだけだろう。

8/13/2013

行政が司法の人事をしたら三権分立でなくなる

内閣法制局長官が内閣の政治任命であることが議論となっているが、同局は内閣の機関なのだから当然だ。それより最高裁判事(長官も)が内閣の任命であることのほうに何故議論が行かないのだろう。三権分立だから、行政が司法の任命者では困るだろう。任命をする代わりに、最高裁判事の国民投票がある。でも、この国民投票で罷免された例はない。

韓国の司法は政府と違った判決をすることで三権分立の模範のようなことになっている。でも、その判事は誰が任命したのだろう?

日銀の独立性と言っても、黒田総裁は安倍内閣の方針にあった人物として任命された。これでは独立性があると言えるのか?

8/12/2013

結論は「やってみなければわからない」消費税率3%アップ

消費税率は第一弾の3%と次の2%と二段階に引き上げる予定となっている。ただ、デフレ下の経済に悪影響を及ぼすと困るので、そこは経済の諸数値を見て判断することになる、としている。

しかし、来年4月からの税率アップをこの4-6期の数値を見て、増税後の未来を確信を持って予測できるだろうか?いま、経済学者の間でも論議が分かれている。そのようにいつまでも「案じてばかり」ではそれこそ「決められない政治」になる。

3%をやってみて、うまくいかないようだったら、少なくとも次の2%は経済が好転するまで延期するようにしたらどうか。それが二段階引き上げの理由だと思う。

8/11/2013

内政干渉には無視することだ

台湾の李登輝元総統とチベット亡命政府のダライラマ14世の来日には外務省が中国に配慮してビザを発給してこなかった。台湾もチベットも中国が勝手に言う核心的利益だからだ。日本の外務省がその内政干渉に負けていただけだ。

靖国神社への首相(外相、官房長官)の参拝も中国の内政干渉に負けた形で結果的に実行されてこなかった。ところが、上記二氏についてはいまは来日が常態となっている。内政干渉を無視し続けたら中国がそれを認めざるを得なくなっただけだ。脅しがきかないことがわかったのだ。靖国もそうしたらどうか?ただ、安倍首相が忙しくて参拝できないならそれでもよい。

他国からの内政干渉には断固無視することがまずは重要だ。無視して参拝しないと、無視したことにはならないから、忙しくてもわざわざ参拝するのがよい。

関連して、台湾の外交の窓口である亜東関係協会の要人が来日して菅官房長官と会談した。日本国政府と会談するのは中国の反対にもかかわらず、行われてきたようだ。今回それを台湾側から公表(日本側は公表していない)するのが異例となっている。徐々に中国に現実を認めさせる作戦がよい。

8/10/2013

靖国神社参拝は終戦記念日がもっともふさわしい

靖国神社に戦没者慰霊のため参拝するなら、終戦記念日の8月15日がもっもふさわしい。先の大戦で亡くなった慰霊が大部分だし、その戦争が終わった(敗戦という意味ではない)記念日に戦争の悲惨さを(戦没者の慰霊とともに)顧みて参拝する意義が大きい。

もっと広い意味で、靖国神社の秋季あるいは春季の例大祭はあるのかもしれない。しかし、直近で戦没者の数も多い先の大戦の終戦記念日に参拝する意味が大きいのではないか?

8/08/2013

険悪なこの際、靖国参拝などすべて断行してみてもよい

中韓両国とは首脳会談が開催できない険悪な状況になっている。険悪な外交懸案を解決するためにはまずは会談から始めなければならない。

会わない、ということを相手国を屈服させる戦略として使っている。であるなら、この険悪な状況下でさらに険悪性を増すことは考えなくてよいので、相手に遠慮していることを全てやってみせるという仕返しをしたらどうか?靖国神社への首相参拝と領土問題では、尖閣諸島への漁船避難施設の建設、竹島へ渡った韓国人への日本入国ビザの拒否などだ。

8/06/2013

米軍従来型ヘリが墜落して「我田引水」

かねてより反対してきたオスプレイ配備の根拠が補強されたと内心喜んだのだろう、米軍の従来型ヘリが沖縄の演習地内で墜落した事故に接して。

でも、オスプレイが墜ちなくて、従来型が墜ちたと言うことは、オスプレイのほうがより安全なのかもしれない、となぜ思いつかないかというと、もともとの動機がオスプレイに反対することだけにあったからに違いない。全てのことを「わが田に水を引く」ことにつなげる人たちだ。

かねてから原発に反対の人も福島事故を奇貨とした、というのと同例だ。

8/05/2013

オスプレイは早く沖縄へ、の対応が沖縄のことを考えていない

沖縄に追加配備予定のオスプレイが海路運搬されて岩国基地岸壁に到着した。整備の上、オスプレイは飛行して普天間基地に到着・最終配備される。

岩国基地の地元、岩国市と山口県は条件として、速やかな沖縄への移動を要求した。厄介者払いの感情からだ。これでは沖縄の負担を全国で分担しようという精神に反するものだ。配備のスケジュールは米軍が決めるものだが、このような言い方は、結果がどうあれ、すべきでない。

8/01/2013

情報公開のスピード合戦だけでは困る

社会的な問題が生起したとき、マスコミが善悪の判断基準とするのは「情報公開が遅れたか」どうかだけだ。起こった事実を速やかに上司に報告するのは役人の本能に近い。このスピードだけを競われても、当該の問題の原因とか解決方法の本質が伴わなければ、意味がない。

マスコミはこの本質に迫る能力が日頃無いから、スピードだけを問題として報道する。