1/31/2010

中国による武力統一に支障になると抗議

 米国オバマ政権が台湾に武器を輸出しようとしているのに対し、中国政府が抗議している。中国の防衛に重大な危機が生ずると。
 でも、輸出するのはPAC3など純防衛兵器だ。中国からのミサイルを打ち落とすミサイルだ。そもそも台湾の政権に昔の大陸反抗の気持ちはない。馬政権は国民党だが、むかし蒋介石がもったスローガンを持ち続けているはずがない。
 中国が台湾を武力統一するのに支障があるからだろう。
 米ソ冷戦時代はABM(弾道弾迎撃ミサイル)削減交渉というのがあった。ABMが完備されれば、敵方の攻撃兵器は無力となるから、戦力のバランスが欠けることになる。それと今回のPAC3とは全く話が違う。

1/29/2010

平野発言に激高は「朝三暮四」の猿と同じ

 名護市長選で同市辺野古への基地移転反対派が勝ったあとの平野官房長官のコメントにその反対派が激高している。平野氏のコメントは要するに、法律事項(例えば公有水面埋立)は法律に従って(県知事の認可)実施するのであって、市長をはじめとする地元の意向に必ずしも「縛られるものではない」、「尊重する」ことはあるが、ということだろう。法律をよく読めばそういうことだ。「尊重する」を後回しにしたから激高しているのだろう。これは鳩山首相が間違えた「朝三暮四」のたぐいだ。暮四のほうに「尊重する」が回されても同じだ、ということがわからない「猿」のようなものだ。
 平野長官は普天間基地移転ではおかしなことを言っているが、この点では同情する。

1/26/2010

ミャンマー内陸で温室ガスを体感

 ミャンマーの中部、エーヤワディ(イラワジ)川の流れる内陸平野は準乾燥気候だ。第2の都市マンダレーなどがある。雨期乾期の別は日本と同じで、冬の今は乾期で、毎日が晴天からから(30%)の気候だ。低緯度なので、南天の太陽高度はそんなに低くはならない。しかし、朝晩は冬なので涼しい。寒いくらいの時もある。昼になると晴天の日差しがギラギラで30℃にもなる。一日の気温の差が20℃にもなる。それでも日陰は涼しいし、丁度金環日食1/15の日で、日食の最中は心なしか気温が下がった。
 このような乾燥気候の中にいて、地球温暖化ガスの最大のものである水蒸気を思った。乾燥している、すなわち水蒸気が少ないので、温室効果が少なく、一日の寒暖の差が激しいのである。砂漠地帯に行ったことがないが、日気温の較差の大きい理屈は同じだろう。東南アジアの緑豊かな地域で同じだとは再認識させられた。

1/25/2010

普天間の現基地を残すことになる

 名護市長選で反対派が勝って、同市辺野古への海兵隊基地移転は不可能になったのではないか。他の国内国外移転先の案は、抑止力維持の政策を鳩山政権はもっているので、あり得ない。
 結論は、移転せず、普天間に残すことになるのではないか。その場合、現基地の危険な状況を少しでも解消するため、在日米軍基地の再編全体構想にあるグアム、岩国への移転などはそのまま進め、辺野古に移転する部分を普天間に残すかわりに現基地の改善も図る。滑走路延長上にある家屋などの移転を進めるなどすれば少しでも安全になるのである。
 辺野古への移転は海上埋め立てになるので、巨費がかかるという。もったいないではないか。その金があれば、普天間の改良を進めても、おつりがたくさん残る。
 民主党鳩山政権の深謀遠慮も実はそうだったのかもしれない。連立を組む社民党に来年度予算成立までに逃げられては困るから、そのあとの5月に以上の結論を出せば、そのとき連立解消しても実害は少なくてすむ。

長井健司氏は過去の日本人戦場カメラマンと同様、無駄死に

 ヤンゴンの反政府デモを取材中のフリーカメラマン長井健司さんが2007年9月27日、ミャンマー軍の発砲によって殺された。この事件の真相は以下のようだ。
 長井さんはビルマ語ができない。そこでインド系ビルマ人を通訳として雇っていたが、デモの撮影取材は単独で行っていた。一般的な危険情報はもってはいたと考えられるが、警備の兵士の発する警告は理解できなかった。再三の警告後、射殺されたという。インド系通訳を雇った限界だった。ミャンマー人の通訳を雇っていれば、危険情報に熟知していたから、通訳だけでなく、適切な安全誘導もなされていたはずだという。
 なお、戦場で殉職した日本人カメラマンは沢田教一(ベトナム)、一ノ瀬泰造(カンボジア)など多数だが、いずれもフリーで、費用の関係とか功名心とかがあって、単独で危険地帯に飛び込むケースがあとを絶たない。現地人の協力者に撮影を依頼すればよほど良いアングル・タイミングで名ショットが撮れるのに、ということだ。

1/24/2010

JALは公共交通機関ではない

 JALの再建に国が関与しようとしている。理由は重要な公共交通機関だからだそうだ。でも、JALがなくなっても国内線ではANAほかの代替社がいるし、国際線なら更に諸外国の航空会社に不足しない。なくなって困らないなら、公的に関与して再建(法的更生)に手を貸す必要はない。国内線でANAが独占になるというが、三番手以下の航空会社もあるし、地上ではJRもあるし、高速バスもある。独占で不効率な経営をANAができるわけはない。
 JALの凋落の原因は、いままで公共が関与しすぎたからではないのか?資本主義の社会で、その担い手の株式会社が健全に機能するためには、逆説だが、会社の破綻がスムーズに行われることが必要だ。人間の体と同じで、老廃物は速やかに排出される必要がある。JALが消滅することは悪いことではない。
 地方空港どうしの路線の廃止が心配だという声がある。でも、もともと不採算の路線を維持するのは無理だ。どうしても飛行機で急いで行きたいなら、国内ハブ空港(羽田、大阪)で乗り換えればよい。地上を行くよりは速いはずだ。

1/23/2010

ミャンマーのパゴダは裸足で

 ミャンマーの代表的風景は、パゴダすなわち仏塔だ。国内に何カ所あるか見当がつかないほど、数たくさん作られている。ちなみに、パゴダの密集風景で有名な中部のバガン周辺の数キロ平方の範囲でも、2,000を越えるパゴダがあるという。
 そのパゴダにお参りするとき、日本人観光客は見物になるが、裸足にならなければならない。靴下も脱ぐ必要がある。これが面倒だし、足裏が汚らしくなり、歩きづらいと不評となっている。しかし、振り返って日本の習慣で、家に上がるときは靴を脱ぎ、畳にはスリッパでは上がらない、ということは日本人には常識だが、西洋人とか中国人には不可解であろう。パゴダの裸足もそれと同じことだと理解した。

1/22/2010

三権分立を首相はまずは尊重すべき

 鳩山由紀夫氏は民主党の代表という立法府の政治家であっても、いまは総理大臣という行政官の立場に徹すべきであろう。なぜなら、民主党の政策を掲げて行政を担うので、政治家としての行動にもなっているからだ。ところが、立法府での与野党の政争を一段と高い立場で判断し行動すべき行政府の長としての自覚が足りない。だから「小沢幹事長には検察と戦って欲しい」との対検察の発言が飛び出してしまう。行政の長だから、三権分立の制度に厳粛に従って司法の分野に踏み込むべきではないが、一政党の代表としての本音に戻ってしまうようだ。
 行政内での政治主導といっても、司法手続きにつながる検察と先月問題になった天皇をお守りする宮内庁には、一政党の政策からの主導はできないことを理解すべきだ。形式的にはいずれも内閣のもとにはあるのだが。
 また、ついでだが、行政の長からみて検察庁は下部機関、部下に当たるが、そのトップとしての行動にもなっていない。逆説だが、検察の動きに反対なら、内閣の権限である指揮権を発動すればよい。その覚悟がないなら、すなわち、検察が厳正なる捜査・手続きをしていると判断せざるをえないなら、そのまままかせるのがトップのとるべき姿勢だ。

1/21/2010

ミャンマーの敵の敵・中国が唯一の味方

 ミャンマー(旧ビルマ)に行ってきた。ミャンマー人は親日的だ。軍事政権の強圧下、何事もないかのように暮らしている。軍人がいそうな空港とか首都ヤンゴン(旧ラングーン)で、軍人は一切見かけず、のんびりした雰囲気だった。現地ガイドに聞くと、目に見えない締め付けは相当のものだという。旅行者にはわからないようにしているのだろう。
 一週間のミャンマー国内周遊旅行だったが、以前はビザが三日間だけだったそうで、首都以外に行くことはできなかった。それを緩くし外国人が回れるようになったのは、軍事政権の余裕かそれとも諸外国の圧力からなのだろうか?
 国民の生活を圧迫している軍事政権の命綱は北の隣国・中国の影響力だ。それを断つには米国がまずは軍事政権と関係を持つしかないという、悪と手を結んでその悪を変えていくという、現実外交手法が必要ではないだろうか。スーチーさんの人権とかはそれからだ。欧米からの経済封鎖がミャンマー軍事政権を中国に追いやっているのだ。
 北朝鮮も悪の枢軸だが、ミャンマーとは違い、圧力が必要だ。問題の国家によって対処方法が違う。

1/12/2010

デフレスパイラルではなく世界的な物価調整

 物価が安くなったのはデフレスパイラルになったからではなく、円高で輸入財が安くなったからだ。中国など新興国から低賃金による安価な製品も入ってくるようになったこともある。経済がグローバル化しているからすぐにそうなっただけだ。逆に日本国内の賃金は円高を考えれば相対的に高めになっている。同じ賃金なら、物価が下がった分、豊かな生活ができる、というのはデフレスパイラルではない。
 円高により相対的にあがった賃金を国際水準に従い下げる、というのは容易ではない。賃金には下方硬直性があるからだ。だから、企業の収益が悪化せざるを得ない。賃金を下げられない、非正規臨時労働者を雇えなくなるようだったら、その企業が生き延びるためには海外(中国など)に逃げるしかない。そうならないためには、賃金を少しは下げざるを得ないだろう。これはデフレスパイラルとは言わない。国際水準に物価も賃金も合わせる「調整」なのではないか?

1/10/2010

首相も財務相も口が軽い

 菅新財務相が就任直後、為替相場への口先介入を行った。国が相場への介入をすべきなのは、投機などによる乱高下を収めるためだけに許される。各国の相場水準への得失は一致しないから、日本の都合で相場を左右する介入はすべきでないし、できない。
 口先だけで実際には介入しないと、日本国の財務相の発言の重さがなくなることにつながり、そちらの方が問題だ。外交問題で鳩山首相の対米発言の重みがなくなったことと同じだ。

1/08/2010

小舟に回避義務(二年前と同じ)

 2008.2.25に「小舟が回避するのが実際」とのタイトルで、海自イージス艦あたごと漁船の衝突事故について書いた。
 その趣旨は今回の南極海でのシー・シェパード抗議船アディ・ギル号(ア号)と捕鯨監視船第2昭南丸との衝突、ア号大破沈没の事故の責任はどちらにあるかの議論にも共通する。衝突寸前では小回りのきく小型船のほうに回避義務というか小型船のほうだけに回避可能性がある。ましてやア号は衝突覚悟で昭南丸にまとわりついていたのだから、自業自得といえないだろうか。
 衝突寸前の検証も大事だが、基本論は以上だ。

1/07/2010

権力者は責任転嫁しない

 与党の幹事長が政権運営が必ずしもうまくいっていない責任を前政権のせいにした。肝心の鳩山首相も昨年の臨時国会の代表質問答弁で、「あなたたちに言われたくない」との責任回避的心情発言があった。
 民主党は政権を取ったのだから、何でもできるし、その責任はすべてとらなければならない。野党は何もできない。その野党に責任転嫁しても意味がない。自民党政権を引き継ぐ前提で選挙に勝ったのだから、前政権の負の遺産(があれば、それ)を自己の責任で解消することだし、その力も国民から付託されている。

1/06/2010

大臣辞めるのに診断書が必要

 藤井財務相が辞任するにあたって理由の病気診断書を提出したのには驚いた。公務員がずる休みをするのに病気休暇を使う手がある。有給休暇の残日数がなくなったときに使う裏手段だ。だから、病気休暇には医師の診断書が必要となっている。だから、悪徳公務員並みだ。
 後任の菅副総理が記者団からの財務相(兼務)就任の取材に「わたしより適任の方がいるかもしれない」と謙遜していたのはお笑いだ。副総理だから、どの大臣の兼務もできなければ、副総理の任でもないだろう。