1/22/2010

三権分立を首相はまずは尊重すべき

 鳩山由紀夫氏は民主党の代表という立法府の政治家であっても、いまは総理大臣という行政官の立場に徹すべきであろう。なぜなら、民主党の政策を掲げて行政を担うので、政治家としての行動にもなっているからだ。ところが、立法府での与野党の政争を一段と高い立場で判断し行動すべき行政府の長としての自覚が足りない。だから「小沢幹事長には検察と戦って欲しい」との対検察の発言が飛び出してしまう。行政の長だから、三権分立の制度に厳粛に従って司法の分野に踏み込むべきではないが、一政党の代表としての本音に戻ってしまうようだ。
 行政内での政治主導といっても、司法手続きにつながる検察と先月問題になった天皇をお守りする宮内庁には、一政党の政策からの主導はできないことを理解すべきだ。形式的にはいずれも内閣のもとにはあるのだが。
 また、ついでだが、行政の長からみて検察庁は下部機関、部下に当たるが、そのトップとしての行動にもなっていない。逆説だが、検察の動きに反対なら、内閣の権限である指揮権を発動すればよい。その覚悟がないなら、すなわち、検察が厳正なる捜査・手続きをしていると判断せざるをえないなら、そのまままかせるのがトップのとるべき姿勢だ。

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