4/28/2023

客が多くなれば宿泊料を値上げすれば?

コロナが一段落して旅行需要が国内あるいはインバウンドともに回復している。そこで心配されているのが、一度、コロナで退職した従業員などが戻らず、宿泊施設などの供給力が不足しているらしい。

これはアベノミクスが目標とした需要の回復にあたる。需給バランスが需要過多になれば、供給側としては価格を上げることができる。その結果、宿泊施設従業員の賃金が上昇することになる。インフレターゲットで狙ったデマンドプルインフレだ。

しかし、ニュースを見ると、宿泊施設の宿泊料を上げることは考えていないようだ。だから、従業員が戻ってこない。戻すためには賃金を上げるのが有効だ。日本にはお客様への値段をできるだけ上げない、というのが商売の常道になっているみたいだ。これが商道なのか、それとも「便乗」値上げの誹りを受けたくないのかわからない。いずれにせよ、需要供給曲線がコストで動かない、資本主義を外れた日本だ。

4/13/2023

AI支援では論理思考能力がつかない

これまで何回も文章回答のテスト問題を採点したことがあるが、一番多い間違いは、設問文を正しく理解できていないことだ。少しずれている類似設問への回答文が書いてある。たぶん試験前から想定設問を準備(記憶)していて、それへの回答としては満点に近い。受験生側から見ると「ヤマが少しずれた」のだろう。しかし、それでは零点をつけざるを得ない。聞かれていることを正しく理解できるかが重要だからだ。

このテストが大学のレポート提出課題で、課題が指導教官が書いた文の場合は、最近の文章AIにそのまま入力質問すればかなり満点近いものになってしまう。この場合、課題文の理解能力がなくても、AIにそのまま質問文にできるからだ。これではこのテストがPCソフト能力があるかだけを確かめるものになってしまう。

さらには、大学の場合、レポートの文章を書かせてその文章能力を判定するだけでなく、書かせた文章の中にその学生の論理思考能力を確かめることがなお重要なことだ。この後者もAI支援で判別不能になるのでは、指導教官は頭を抱えてしまうことだろう。(本人のものかの)確認の面接が必要になる。