4/30/2013

黒田日銀笛吹けど会社は資金潤沢で踊らず

黒田日銀が国債の買いオペにより円を大量に市場に供給しデフレを退治するという。しかし、増えるのはマネタリーベースという日銀にある各銀行の当座預金だけだ。各銀行がそれをもとに貸し出しの増加(マネーストック)を図らなければ円は市場に出回らない。

要は、借り手が増えなければ、銀行も貸し出しできない。(さらに困るのは銀行は主要な貸出先(投資先)の国債を手放すことにより、ほかの融資先を探さなければならない)

この状態が日本のバブル崩壊後、十数年続いてきただけだろう。この間、金融の信用不安から貸し出しが止まったことがあったが、問題銀行に公的資金をつぎ込むなどの処理をして、銀行に原因がある経済停滞は防止してきたのだろう。

日本の会社は資金の必要なとき、銀行による間接金融に頼ってきた。近頃は信用ある大会社は社債とか株式増資などによる直接金融に移行しつつある。銀行の必要性が薄れているだけ、銀行を通じての金融政策の効力も少なくなってきているのだろう。その流れで、直接金融からさらに社内蓄積資金(利益を留保したもの)により必要な投資をするようになったと考えられる。借金に頼らない経営というものもある。それなら、日銀がどれほど円を市場に供給したとしても、個々の会社の投資行動には影響しないと言うことだろう。

黒田総裁が(あるいは安倍首相が)したことはインフレマインドを醸成したことだけ(といってもたいしたことだが)なのかもしれない。

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