4/28/2013

憲法が国民の権利を守れない状態でも改正しづらくなる(現行96条)

憲法は権力者から国民を守るものだから改正手続きはなるべくハードルを高くしておくほうがよく、憲法96条の両院2/3の提議が必要な条項を改正する必要がない、という議論がある。世論調査でも96条改正反対が過半を占める。憲法のその他のいずれかの条文への改訂賛成が半数を占めるのに。つまり、2/3のハードルで慎重に改訂手続きを進めるべきだと。

違うだろう。逆に見れば、現行の憲法が国民の権利を国家権力から守れない状態にあるときも改正しにくくなる。制度というのは実態の正邪から中立に考えるものだ。

また、96条以外に改正の対象となっている条文を念頭に置いて、改正条項も議論すべきだというが、手続き論は今後のすべての改正に対して中立であるべきことから、これもおかしな議論だ。推論するに、具体条文に絶対反対の手段として、一つ前の96条とあわせ二重に防ごうというものだろう。古い革新政党が常用した「蟻の一穴」論だ。

諸外国の憲法の多くで改正条項が議会の2/3を必要とされているのは当たり前だ。その憲法を最初に作った人は安易に改正されたくなかったろう。だから、ハードルの高い改正条項を入れたのだ。日本国憲法の場合も、マッカーサーの考えはそこにもあったろう(日本人に対する悪意もあったとされるが)。

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