4/26/2010

なにが「自然への冒涜」か科学的に

 自民党時代の辺野古沿岸案に戻らない理由として、海の埋立では「自然への冒涜」になると鳩山首相は主張した。沖縄県民が県外移設を主張しているのに、自分の頭のなかでは、自然への影響が少ないやり方(辺野古桟橋案?)だったら理解を得られると、沖縄県民の気持ちが読めていない(KY)。
 自然への冒涜度で言ったら、陸上に滑走路を造るのだって、そこにいる動植物に壊滅的な被害を与えるし、工事に際して赤土が流出すれば、海にも被害を与える。桟橋で滑走路を造ったって、日陰になったら珊瑚礁は死滅する。埋立でも桟橋でも、海の動物(魚類)は動けるからほかの場所で生存可能だ。埋立で将来基地が不要になったら、埋立土を撤去すればもとの海にいずれ戻る。桟橋用の鉄材は産地のオーストラリアの自然を破壊する。二酸化炭素も余計に排出する。
 どの工法が自然への冒涜にならないかは一般的に言えることではなく、環境アセスメントなどで地道な科学的検討を経て評価されうるものだ。スローガン的に「自然への冒涜」と決めつけるのは科学者・鳩山首相らしくない。それとも東大工学部では勉強をしなかったのか?

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