4/15/2010

子宮頸ガン予防ワクチン接種は貧困者のみに

 2010.3.3に子宮頸ガン予防ワクチンの公費助成の矛盾について書いた。
 2010.3.16のmsnニュースのこのことについての関係部分は、
子宮頸がんワクチンは高価なワクチンだ。しかし、欧米などでは接種にかかる費用よりも利益が大きいとの経済分析から、公費助成が行われているという。自治医科大学付属さいたま医療センターの今野良教授は、日本でも子宮頸がんワクチンの無料接種は費用対効果が高いと分析する。
 仮に12歳の全女児にワクチンを3回接種した場合、ワクチンにかかる費用は約210億円。これに対し、治療費の節減効果は約170億円。さらに、治療による仕事の中断や死亡による労働損失約230億円の計約400億円を抑制でき、社会全体で約190億円の費用削減が期待できるという。
 また、10~45歳の女性全員に接種した場合も同様に約430億円の費用削減が見込める。
 今野教授は「新技術の導入で、医療には余計に費用がかかるようになっている。しかし、それによって国民の生活の質が上がるなどの効果が高ければ、費用負担も納得されるはず」と指摘する」
以上、引用おわり。

 予防による将来の医療費節減などの経済効果でもって正当性を主張するものだ。でも、予防の経済学というのは常にそういうものだろう。それを最大受益者の個人の負担でなくなぜ公的に助成するかの根拠がわからない。保険組合の利益になるのなら、その組合の助成事業としてやればよい。
 貧困者には高価すぎるから、という理屈なのだろう。そうなら、セーフティネットというかその支給の範囲で接種できるようにすればよいのだが、金持ちも含めて一律に対象にするのでは、貧困者に対する福祉ではなく、全人口に対する「選挙対策」と言わざるを得ない。生活保護の生活費全体に対する支給でなく、個別に助成事項を決めるのは、その個別事項に関係する「業界」への利益と見なされても仕方ない。
 金持ちに対する助成は子ども手当でもなされようとしているが、所得の再配分とも言えないようなばらまきは自由主義国家のやることとはとうてい言えない。

0 件のコメント:

コメントを投稿