8/30/2016

豊洲移転への政治家の結論は限定されたものになる

小池知事は会見で調査終了を待たずに開場を迎えることに「大きな疑問を持っている」と述べた(8月26日)。さらに本日のニュースでは「延期」の方針らしい(下記URL)。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB30H17_Q6A830C1000000/

豊洲移転には今までの議論の経緯と、事業の既投資部分があるので、それらを踏まえた結論としなければ政治家とは言えない。
だから、豊洲の新市場を「使わない」という結論はあり得ない。
延期する場合、なんのために延期するのか?改善点があれば、移転後使用しながら改善できる。環境調査も全八回のうちの七回までは調査結果に問題がなかったので、年末年始の繁忙期前に開場を急いだのではないか?
移転反対派は、築地市場のままでよい、とこれまでの経緯をすべてご破算にするつもりでいる。間違えてもそれらに釘を刺さないような結論の言い方にならないように。

8/18/2016

ユートピア的宣言で看過できないもの

オバマ大統領が先付けで受章したノーベル平和賞。その義務を果たすかのように8年間の在任の最後に「核先制不使用宣言」を検討しているそうだ。

日本の多くの地方自治体が「非核都市宣言」をしている。世界の核バランスには全く影響を与えない、単にユートピアはよい、と言っているに過ぎないから、無害だ。

東京都知事が別の候補になっていたら、原発NOを都政の一項目にしただろうが、これも権限のない政治家が勝手なことを言っている、だけの無害な話だ。

安倍内閣が非核三原則を継承せざるを得ないのは国内政治状況からであり、これも、世界的な核配備バランスには影響はない。米軍は日本に核を持ち込む必要がなくなったからだ。

後三者は政治的に意味のない「ユートピア的宣言」だ。しかし、前者のオバマ「核先制不使用宣言」だけは現実の世界のパワーバランスに重大な影響がある。オバマ大統領がそのことをわかっているのか、心配だ。

7/17/2016

残念なことに民進党は万年野党を目指した

NHKの日曜討論「参議院選総括」を見た。五人の識者の言うとおりだが、民進党は二大政党の一つとなることをあきらめて万年野党の道を選んだようだ。もちろん野党にも重要な役割がある。
日本には戦前に政友会と民政党の二大政党があったが、党利党略政治を繰り返したあげく国民から忌避される結果となった。日本には二大政党体制は根付かないのかもしれない。小沢一郎氏の理想は潰えたのだ。
民進党は二大政党を目指すのなら自民党並みの比例獲得票40%を目指さないと。それを選挙区(一人区)で四野党共闘してもたかだか11議席だ。

7/02/2016

EU加盟離脱の国民投票は「圧倒的」過半数で

「圧倒的」とは例えば2/3。そうであれば、票差の率は1:2になるから半数意見のほうからは文句は出ないだろう。

国民国家の主権を一部国際機関(EUなど)に明け渡すような国家の大事の時は以上のように国民の意思が圧倒的でなくてはならない。その意味では英国がEUに加盟するときには2/3以上の賛同があった(加盟後の1975年の国民投票で67.2%)。

しかし、原加盟国のフランス、オランダなどでも離脱世論が過半に迫る勢いだという。このように国民世論が割れている国を「無理して」加盟させているEUにEU市民の支持が得られているか疑問だ。

なお、2/3は日本国憲法の「衆参両院の発議」要件をヒントにしているが、憲法のように国内手続きで何回も改正できるものの国民投票過半数要件と、EU加盟とは性質を異にするであろう。

6/19/2016

蓮舫氏にも魅力的でない都知事の椅子

蓮舫参議院議員は当選確率最右翼の都知事選立候補を断った。

理由は国政でやることがある、ということだが、逆に言うと都政ではやれることが少ない、ということだろう。地方自治がない証拠だ。

さらには舛添辞任劇で明白となった、知事のポストの危うさだ。人気投票の知事ポストは人気が失われれば根拠がなくなる。議院内閣制の首相は自ら率いる与党に強固な政治的基盤を持つ。その政党には広範な国民支持層がある。

過去には長野県田中知事、鹿児島県阿久根市竹原市長は議会との争いで結局は辞任した。米国大統領なみの地位の安定性はない。地方自治が混乱しても国民生活にはたいした影響がないことから、首長と議会との二元性という相互牽制制度にしたのだろう。

いずれにせよ、自治体警察などとともに米国流の悪しき民主主義の誤用だろう。

6/12/2016

知事はドイツ大統領同様お飾りと思えばよい

舛添知事不適切支出問題だが、つまるところ、政治家の人格問題ではないだろうか?

とくに都道府県の知事は「県父」扱いで、とくに人格が要求される。政治力と人格を兼備の人物は少ないだろう。県知事は後述のように政治力はそうは必要ないから、人格だけは厳密に要求される。

政治力が必要ないのは、地方自治がないからだ。県の政治はすべて国の法律に基づいて実行される。条例といえど法律の下に決められる。地方自治は米占領軍の置き土産だが、米国の各州なみの自治の権限は与えなかった。知事は国の機関の長の扱いで、昔の官選でも差し支えない。

市町村も含め地方政治は二元代表制で首長と議会が対立すると泥沼に陥りやすい。そこで、議会の解散権とリコールの制度があるが、手続きが悠長で即効性がない。それでも特別支障がないのは、地方政治が混乱しても実害は少ないからだろう。

国政が混乱すると致命的だ。だから、議院内閣制をとって立法と行政に矛盾が生じないようにしている。米国などの二元代表の国政では大統領と議会の権限が厳密に分けられている。トランプ大統領になってもそこは安心だ。ドイツでは大統領はお飾り的存在だ。日本の知事も同様と思えばよい。


6/08/2016

不適切支出をしないのは公約扱い

政治資金規正法は支出に関し「ザル法」だと言われている。誰よりもそれを問題にしたのが舛添氏だった。だから、自らが「不適切」支出をしただけで辞任要求されるのだろう。他の政治家も同様に不適切な支出を多かれ少なかれしている。
宮崎議員がイクメン宣言をしながら不倫をして、辞任に追い込まれた。他の議員でも不倫をしても問題にされない場合が多い。政治家だったら不倫する、という「常識」があった。
都知事選で投票したイメージと違うではないか?ということにすぎない。

5/30/2016

たった2%でなぜ大騒ぎに

消費税の8%から10%への増税時期の延期について安倍首相から提案があった。今後、消費税法の改正が必要で、内閣に決める権限はない。

たった2%でなぜ大騒ぎになるのか?

2%がすべて経済に影響するとしても社会現象としての経済指標では誤差範囲ではないか?景気が低迷しているのは、所得が伸びないため、消費も停滞し、経済成長が期待できないという。2%より所得の伸び悩みの影響のほうが大きい。

所得が伸びないのは中国が工業製品貿易で世界経済に参入してからだ。中国の賃金は高くはなりつつあるが、依然低い水準だ。中国製品に対抗するには日本でも自国製品を安価にせざるを得ない。そのためには製造原価の主要部分を占める人件費を圧縮しなければ日本のメーカーが存続できない。言い方を換えると、世界的な労働市場に中国人が参入して供給過剰になったから、賃金が低下した、といえる。

GDPの貨幣で算出する指標でなく、実質で日本人の生活が豊かになっているかを考えてみる。物価は安価な中国製品あるいはたまたまのエネルギー価格の低下により下がっている。あわせて所得の名目値も下がっているのをデフレと言うが、実質でみた購買力(実質所得)はそんなに下がっているわけではないだろう。

消費税でいつも大騒ぎになるのは、政争の具としてとっておきだからだろう。過去にも内閣がつぶれた。安倍首相も日本経済の行く末より自内閣の存続のほうが大切だ。

5/15/2016

民主政治は多数決(日米の違い)

民主政治は究極には多数決だ。

米国のトランプ現象を見ていると、少数のエリート支配に非エリート層が反対し成功しつつあるように見える。もともと多数派なのだから、1%の超富裕層に反対する政治になって当たり前だ。デモをしなくても99%の政治が実現する。

日本の政治は以上の多数決になっていない。それは、与野党ともに99%を代表する政策を打ち出していないからだ。不毛な憲法論争で政策を争わないで、国民全体を代表するかで争ってほしい。その点、日本共産党みたいに「大企業から税金を取ればよい」との理屈は民度の高い日本人には通用しない。そこを野党は間違わないでほしい。

5/01/2016

トランプの支持者も護憲日本国民も同じ

前日の続き。

米国有権者の大部分は米国国益、すなわち米国民の幸福につながるわけだが、その国益につながる直接因果関係までしかわかっていない。超大国の米国が世界の秩序を維持していくのが、すなわち、米国の国益につながっていく、という複雑な因果関係までわからない。個々の国民の生活が苦しいのは、違法移民が低賃金で働くからだ、というのは直接因果でわかりやすい。

問題なのは、米国は行政府の長(大統領)は直接選出(公選)なので、このように素朴なある意味ワンイシュー政治が実現しやすいことだ。過去にはモンロー主義という孤立による世界政治への対応になったこともある。現在の世界で米国が孤立したら、ほかの大国同士で紛糾し、結果として貿易立国でもある米国の不利益になる。

日本は幸いなことに議院内閣制だ(過去、有力政治家が首相公選制を唱えたが成功しなかった)。議会も代議制で、間接民主主義の利点が最大となっている。代議士とそこから選ばれる閣僚は、有権者を代表して「総合的に」政策を組み立てることができるし、そのように期待される。

ワンイシューの代表として九条護憲の動きがある。自衛隊の活動を現状で抑えておけば、少なくとも自衛隊の死者は出ないかもしれない、という素朴な主張だ。同盟国・米国との関係から平和のための最適な自衛隊の活用にまで頭が回らないのであろう。

トランプを支持する米国民と護憲一本槍の日本国民とは同じだ。