5/01/2016

トランプの支持者も護憲日本国民も同じ

前日の続き。

米国有権者の大部分は米国国益、すなわち米国民の幸福につながるわけだが、その国益につながる直接因果関係までしかわかっていない。超大国の米国が世界の秩序を維持していくのが、すなわち、米国の国益につながっていく、という複雑な因果関係までわからない。個々の国民の生活が苦しいのは、違法移民が低賃金で働くからだ、というのは直接因果でわかりやすい。

問題なのは、米国は行政府の長(大統領)は直接選出(公選)なので、このように素朴なある意味ワンイシュー政治が実現しやすいことだ。過去にはモンロー主義という孤立による世界政治への対応になったこともある。現在の世界で米国が孤立したら、ほかの大国同士で紛糾し、結果として貿易立国でもある米国の不利益になる。

日本は幸いなことに議院内閣制だ(過去、有力政治家が首相公選制を唱えたが成功しなかった)。議会も代議制で、間接民主主義の利点が最大となっている。代議士とそこから選ばれる閣僚は、有権者を代表して「総合的に」政策を組み立てることができるし、そのように期待される。

ワンイシューの代表として九条護憲の動きがある。自衛隊の活動を現状で抑えておけば、少なくとも自衛隊の死者は出ないかもしれない、という素朴な主張だ。同盟国・米国との関係から平和のための最適な自衛隊の活用にまで頭が回らないのであろう。

トランプを支持する米国民と護憲一本槍の日本国民とは同じだ。

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