2/15/2008

市場経済を理解しない人たちその2

グローバル経済とは世界が単一市場になった、ということと同じだ。海運の発達に負うところが大きい。大型コンテナ船で世界どこへでも廉価で原材料あるいは商品が運べるようになり、ものの値段が世界どこでも変わらなくなった。
ものの値段だけでなく、労働コストも同一労働同一賃金に近くなる。冷凍ギョウザは中国の安い労働力で袋詰めまでして、冷凍コンテナで輸送され、あとは日本のスーパーの陳列棚に並ぶだけになる。今回の安全の問題さえなければ、日本国内の労働単価では太刀打ちできない。あるいは、そのような単純作業であれば、中国並みの安い賃金にしなければ国内での生産が成り立たない。労働市場がグローバル化したのだ。日本人の高賃金は付加価値の高い仕事に対し与えられるもので、単純労働は中国並みに安くせざるを得ない。そうしなければ、企業間競争に耐えられない。

最低賃金で労働者を守るとか、労働分配率を増やせば景気浮揚になるとか、いう話は以上のことを理解しない鎖国的(鎖国すればよいという)考えだ。

今回の毒入り食品騒ぎで、地産地消の勧めが力をつけ、その理由に「フードマイル」を持ち出すのは、以上の物流革命を理解しない話だ。「マイル」が運搬コストあるいは伴う二酸化炭素の排出増を念頭に置くものなら、大量輸送手段により「マイル」そのものが減少していることを理解すべきだ。
日本人の手による「安全」をコスト度外視で要求するのなら理にかなっている。

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