4/01/2011

原発に頼らない社会の実験

 今回の東電福島第一原発事故で、一般住民の被曝被害は避けられているが、20あるいは30km圏内の避難住民は多大な迷惑を被った。結果、福島第一の再開はもとより、東電はじめ他の電力会社の新規の原発立地は事実上不可能となったのであろう。
 そのおかげで東電管内は計画停電がこの先ずっと日常となり、言い換えれば、原発に頼らない社会の意図せざる壮大な実験に入ったといえるのではないか。案外この社会は日本人にとって耐えうるものではないだろうか?いままで「もったいない」電気の使い方が多すぎた。夜の繁華街はもう少し暗いほうが雰囲気がよく、昼間の灯りは全く不必要だ。寒いときは厚着し、暑かったら軽装になればよい。
 原発による被害リスクと一層の省エネ社会とを選択させたら、後者の方でよい、ということになる。原発を推進するための殺し文句であった「不便な生活に戻ってよいのですか?」が効かなくなる。
 でも、そうなると化石燃料(LNG、石炭、石油)による火力に発電の多くを頼ることになる。それら資源の枯渇の恐れには、海洋底に眠るメタンハイドレートがある、とはいうが、それも有限には違いないし、そのすべてから地球温暖化ガスの二酸化炭素が多かれ少なかれ排出されてしまう。原発がほとんど唯一の二酸化炭素削減策だったからだ。
 だから、今度は荒唐無稽な人為的地球温暖化防止政策と原発とがトレードオフとなり、どちらを選択するかを迫られている。

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