11/11/2010

ミャンマー政府にも劣る今回の「秘密」への対応

 今回の守秘義務違反について、このビデオ画像を含め何が守秘義務の対象になるかの検証は大切なことだと思う。この検証がいつもなおざりになっているから、関連で言えば、個人情報保護法を過剰に解釈する弊害にもつながっている。
 旧ソ連崩壊直後のシベリアに行ったことがある。ソ連時代は空港付近の撮影は硬く禁止されていた。崩壊後は秘密ではないはずだが、惰性なのか、空港係員とか一般市民乗客から撮影は駄目だと余計な指示をされた。守秘の範囲がわからないときはすべて秘密となってしまう。以前の官庁の仕事も過剰に「部内秘」の扱いをした。しかし、これは裁判に出されれば通用しない役所内部だけの決まりに化している。
 今回の流出事件は刑事事件上は立件に微妙なところがある。しかし、行政組織内の統制ということでは問題が多い、との識者の声だ。その際、なぜ守秘事項なのかの検証が行われないと、すべて怪しいものは秘密にしておけば問題ない、という昔の組織の論理に返ってしまう。民主党政府の目指すものと反対の方向に向かう危険性があるのだ。
 評判の悪いミャンマー軍事政権だが、同国を訪れた際、空港などを始めどこでも写真撮影は問題なかった。Googleアースなどで宇宙から見られて公表されているものを地上で秘密にしても仕方がない、との合理的判断によるものらしい。ということは、我が日本政府はミャンマー政府以下の判断力しか持っていないことになる。

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