8/02/2010

林業再生のつまみ話(作業道建設へ建設業を)

 7/30に菅首相は臨時国会の開会に際し、内閣の目指す方向について記者会見した。そのうち文痴が疑問に思ったのは、地方活性化のための林業再生の方法だ。以下にその部分の要旨を民主党のHPから転載する。
 特に、地域、地方の活性化について、林業の再生を挙げ、林道を整備することで効率化を図り、建設業界の転換、木材の加工、流通を活性することで地域の再生を図りたいとした。」
 林業には伐採された材木を麓までおろす道路(作業道+林道)が不可欠だ。このうちの作業道を公共事業で整備する、と言っているようなのだ。作業道は林業経営地内の道路だから、二次産業で言えば、工場内の道路のようなものだ。これを公共のカネで作ることはあり得ない。さらにその先の林道は林野庁などの公共事業で作ることもあるが、急峻な山間地では山腹崩壊、土砂流出などの原因ともなり、自然を破壊する元凶ともなって、建設が困難かあるいはコストのかかるものとなっている。
 そのような理由もあって、日本の林業は海外産の材木に対し、競争力が落ちている。これらのすべてを勘案して林業再生策を考えなければならないのに、「作業道さえ作ってくれたら」との話をつまんで首相会見にするのは、短慮のそしりを逃れられない。

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