5/13/2018

Jul 4, 2002 :中国の崩壊  


ゴードン・チャン「やがて中国の崩壊が始まる」を読了しました。
 
共産主義政治体制が続く限り、市場経済は、共産主義の象徴たる国有企業の扱いに困り、WTOの圧力という引き金で、「経済」のほうを選ぶ中国人民の前に、共産中国政府は崩壊するというもの。
 
そのことよりも、中国で問題なのは、清朝以来の他国からの支配の恥辱の歴史を意識しすぎることだ。
 
それ以前は、西洋の大航海時代のはじめといえども、中国(支那)が世界の中心だった。食いはぐれたヨーロッパ人が危険を冒して、東アジアにまでたどり着いたのが、実状だ。そのあと大国意識にあぐらをかいていたから、支配される原因となった。幕末日本が抱いた「危機感」が政治の中心になかった。
 
恥辱の歴史は、共産革命後まで続く。毛沢東「大躍進」の悲惨な社会、文革のすさんだ社会で終止符が打たれる。鄧小平がすべてを終わらせたのだ。
 
いま中国は「恥辱の歴史」を挽回すべく、政府人民ともに焦りに似た前進を続けている。ワールドカップあるいはインターネット上での極端な愛国心はその焦りからきているのか。他国の首相に、その行動を厳命できると考えるのも、そこからかもしれない。
 
そのようなことでは、経済だけからよりも、政治・文化の非健康性からも、国が崩壊することは間違いない。
 
過ぎた歴史をどうのこうの言っても、得られるものはない。かえって足かせになるだけだ。韓国も同じ。
 
インドはイギリスへの恨みを持つが、それには何も言わないで国の発展を目指す。国民が幸福になればよい。

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