2/28/2012

3.11一周年その2「予防原則」なる軽い理論

「予防原則」なる屁理屈がまかりとおっている。一般庶民はただ単に放射能は恐ろしいと感じているだけなのに、それを理論化しようとする。放射線の人体に対する悪影響が科学的に確定しないことから、十分安全側に対処しようというのである。水俣病の有機水銀原因説も当初から予防原則で排除しておけばあのように悲惨なことにならなかったと理屈補強の材料にしている。
 違うだろう。有機水銀の生産をストップしても国民経済上は大した影響を与えない。しかし、福島県ほかの1mSv/年(積算線量)以上の土地の除染をしておこうというのは莫大な費用がかかる。一説には数十兆円かかるという。おまけに、除染された土などを最終処分することもましてや一時保管する場所も目処がつかない。「予防原則」なる軽い気持ちで対応するのは不可能だ。いま一番確からしい放射線医学の知見で行動すべきだ。それは100mSv/時(線量率)を境に除染あるいは帰宅可能の判断基準とすべきだ。

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