1/16/2012

「TPP亡国論」はTPPに関する部分のみ不可解

中野剛志「TPP亡国論」を読んだ。TPP以外の経済貿易に関する論点もあり、それらは説得的だ。だが、TPPになぜ参加してはならないのかのみが説得的でない。既参加九ヶ国のすべてが日本とは利害を異にし「多数決」で負けるから、不利な結果に終わるとしているが、多数決ではなく、最後の最後は個々の国(議会)で批准されなければ協定として成立しないだけだ。日本は構成国のなかでの経済大国だからその意向を無視しては進めないだろう。
 それよりも民主党二代前の鳩山元首相が積極的だった東アジア共同体構想に添った経済協定の日中、日韓、韓中の二国間枠組みあるいはASEAN+3(日中韓)の中国主導のものから自由主義各国の環太平洋枠組みへ日本を誘い出す政治的な意味合いが強いと感じる。TPPは対中国包囲網だ。

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