9/19/2018

インダス上流の堰止め湖

パキスタン北部のインダス川支川フンザ川が堰き止められたアッタバード湖を見てきた。2010年の大規模地滑りで堰き止められたが、すぐのスピルウェイ開削、道路の付け替えなどで、いまは青緑の水面が人気の的だ。二枚目の写真は別の堰止め湖でスピルウェイを撮ったもの。

 堰止め湖は日本でも多く、芦ノ湖がその代表だ。早川の流れに箱根山が山体崩壊して堰き止められた。

 スピルウェイ(洪水吐き水路)を造成するだけで地滑り事後対策としては簡単なものだ。

 昔、「スーパーフィルダム」の構想を検討したことがあった。それはアースダムなどのしっかりした土構造でなく、単に残土とか崖錐落下物で河川を広範に埋め立てる。場合によっては堤上の土地利用(新集落など)も考える。もちろん、洪水吐き水路とゲートはしっかりと作る。それでよいと思ったが、日本ではそのような不確実な構造は好まれないようだ。芦ノ湖を堰き止めた湖尻の堆積物が流出することなど全く考える必要ないくらい、「永久」にもつものだと思う。

 この直下流に位置するフンザ(カリマバード)では水道水に川の水を使っている。上流に氷河があるので、灰色に濁った原水になり、蛇口でもかすかに白濁する。それがこのアッタバード湖ができて、そこで沈殿した水が取れるようになった(それでも少し濁っているが)。

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