5/16/2014

アラブ各国と日本の国民統一感の違い

 アラブの国々では政治的対立から国民的統一感が失われてしまう場合が見られる。シリア内戦ではシリア国民としての一体感があれば、あれほど悲惨にはならなかっただろう。
 なぜアラブでそうなのかは、過去の英仏の植民地(信託統治)政策による。民族の違いを無視した人工的国境。また、アラビア語がモロッコからイラクまで話されている。汎アラブ主義(アラブの国際主義)になる素地は、各国の国民意識を希薄にするという反面もある。イスラム教という宗教がスンニ派とシーア派の宗派対立を生んでいることもある。
 ひるがえって日本のことを考えるに、孤立した島国であることから、古来からの自然の国境で日本語の話者も日本国の範囲と同じで、仏教などの渡来宗教も国内対立を生むまでに高度に伝わらなかった。内戦も戦国時代あるいは戊辰戦争とあったが、天皇という精神(宗教的)中心があったので、決定的分裂にはつながらなかった。

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