6/03/2013

尖閣領土問題化は世界華人保釣運動のため(逆だ)

シンガポールでのアジア安全保障会議で中国軍の幹部が尖閣問題の棚上げを提案した。日中国交正常化交渉に際し、周恩来首相が田中首相(いずれも当時)に提案したとされる棚上げ論と軌を一にする。現在も過去も日本側は同意していない中国側の一方的な提案だ。このことから尖閣諸島の領土問題化は中国側の戦術だった可能性がある。

尖閣諸島は台湾と日本との紛争地だった(台湾側の一方的理解だけだが)。その台湾は中国の一部ということで、中国は領土問題化していたわけだ。その台湾と日本が尖閣周辺の漁業交渉で妥結して領土問題を希薄化してしまったので、中国としては問題化する大義名分を失ったのだ。

大きな目で見ると、尖閣あるいは南シナ海で領土問題を作ることにより、華人国家(中国、台湾、香港、シンガポール)の内部を牽制しようとするものらしい。世界華人保釣運動という尖閣(中国名:釣魚島)領土を華人として守る運動を香港と台湾に呼びかけて作ったのも中国だ。いつでも棚上げにする領土問題化が真意ではなく、それを手段にして華人国家の内部を統制するもののようだ。中国は内部の問題をいつも対外的に解決する性癖があるようだ。

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