6/24/2010

小野善康教授の成熟社会経済学

 昨夜のBS8プライムニュースは小野善康大阪大教授とリチャード・クー野村総合研究所主席研究員が舌戦。小野氏は菅内閣の、クー氏は麻生内閣のアドバイザーだ。クー氏のバランスシート不況と総需要確保対策はおなじみのものだったが、小野氏の成熟社会の経済学は初耳だった。菅首相のいう第三の道の経済対策の理論となっている。完全雇用の成長経済(中国、インドなど新興国)の経済理論で日本などの成熟社会の経済はコントロールできない。失業者に雇用を確保するためには増税をしてまでしても意味がある、とのこと。増税して定額給付金(子ども手当)として現金を戻すのではお金が回るだけになる。雇用を増やす施策として戻すべきだと(タダではあげない)。
 菅内閣は、第三の道の施策例として介護、医療、環境を挙げているが、小野氏は社会資本でもよい、それが生産基盤の向上につながるという考えを排すべきだ、と強調する。供給力が過剰なのが問題なので、そのための投資という考えでなく、人間生活を気持ちよくするなど、の目的でよい、自転車道の建設なども、と説明する。
 文痴は2010.6.11に菅内閣の第一~第三の道、について書いたが、以上の議論では小野氏にとっても、第一の道(公共事業による内需創出)がまだ一部有効だ、ということにならないだろうか?社会資本は昔のように生産基盤につながらなければならない、という考えから広げて考えればよいわけだ。

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