7/15/2018

労働力不足に機械化、廃プラ輸出禁止で

 中国は17年末で容器など廃プラスチックの輸入を原則禁止した。こちらも環境汚染を理由とする。一方で、欧州や韓国には現在、行き場を失ったプラスチックゴミが大量に積み上がっているという。規制強化が唯一の答えとは限らない。(日刊工業新聞)

 プラスティックは石油化学製品で廃棄物になってもリサイクルすれば枯渇が危惧されている石油資源の代替となる貴重なものだ。中国はそれを輸入して(買い取って)自国内の安い人件費でもって分別などして有価資源に戻している。

 その中国(いずれ東南アジアも)が環境汚染(と人件費高騰)を理由として輸入禁止とした。それで「行き場を失わせる」のではなくリサイクルに機械化導入の貴重なチャンスではないだろうか?

 英国など西欧で産業革命が起きたのは、当時の大国・中国では労働力が有り余っていたのに対し、労働力不足から蒸気機関など機械化の機運があったからだという。当時は労働力の導入(移民)は現実的でなかったが、いま、プラゴミは自国で分別するより、人件費の安い国に輸出することが出来る。運んでしまうのが解決策になるほどグローバル化しているのだ。

日本は労働力不足の最右翼の国だ。いま、このリサイクル産業あるいは介護業界などでも機械化できないようでは、英国の産業革命に笑われてしまう。

 リサイクルで一番主要な工程は「分別」だ。これが家庭ゴミ(一般廃棄物)では無料の家庭内労働力が分担する。事業系廃プラ、例えば、自動販売機横の回収箱のなかを覗くと廃プラ容器以外にも缶とか紙容器など雑多に捨てられている。これを分別するには人件費がかかる。だから、一緒くたに中国に輸出し、その先で分別する方が安くなる。それが不思議だった廃プラ輸出の理由だ。

 つまり、ゴミを分別するのには実は人件費がかかっている、家庭内だからかかっていないように見える、ことを認識すればこの廃プラ問題解決は遠くないだろう。

NIKKAN.CO.JP
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