8/26/2009

資源安保は不必要

 新日本石油など日本の三社がイラク南部のナシリア油田の開発権益を獲得した。和製石油メジャーの再登場だと思う。昔、アラビア石油というのがあったが、サウジのカフジ油田の権益を失った。
 石油資源の確保に明るいニュースだ、というのがあった。石油は世界市場で購入できるが、いざというとき、日本企業が確保する油田があると資源の安全保障になる、との言い訳がついた。
 それは違うだろう。言い訳の前半が本当は正しい。いつでも市場で、かつ、時価で手に入れることができる。資本主義市場経済とはそういうものだ。一物一価で、金を出しさえすれば確保できる。いざというとき、の代表だった第一次オイルショック時、アラブ産油国は日本を親イスラエルとみなし、石油禁輸の対象にした。だが、実際はその昭和47,48年は前後の年と比べて輸入量は減っていない。どこかからか、適正価格で買ってくれる日本に石油を回してくれる。需要が多いほど、油価は高くなるからだ。この動きを止めることはアラブの国でもできない。油価は高くなったが、これは日本だけでなく、世界中で投機もあって高騰した。その後、国家備蓄が始まったのは、価格安定のためだ。
 上記和製メジャーの商売が盛んになることはよいことだ。同じ日本人として喜びたい、というだけの話なのではないか。

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