1/14/2009

需要確保と貧困者対策がごちゃまぜ

 100年に一度の経済危機に財政の出番となっている。混乱しているのは、財政の役割の二つの面の区別だ。
 ひとつは総需要確保のため公的需要追加の機能だ。公共事業がそれで、一時的に経済規模が過小となっているのを底上げし、通常規模の経済活動に戻し、あとは、市場の機能に任せる方法だ。ケインズ経済学だが、いまの状況にも有効だ。2兆円の定額給付金は財政からの国民への消費増加奨励の現金贈与そのものだ。一部が貯蓄されるので、効果は少ないが、需要確保に有効なのは間違いない。
 もうひとつは、経済危機に際してセーフティネットの構築のための財政だ。給付金は貧困者に、というのもその趣旨となる。あるいは、松浪もと政務官がばらまき給付金より雇用、医療関係へ、というのもこの趣旨かもしれない。
 以上の二つがごちゃ混ぜに主張されているから、混乱している。最初の機能だけでも、結局は経済が立て直されることにより迂遠なようだが、なによりも貧困者対策になることを理解すべきだ。

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