6/19/2006

「天皇と東大」より日本国民が有罪

立花隆「天皇と東大」の大著を読了した。
明治憲法下の天皇制の変質に東大などの帝国大学が関与(抵抗)した経緯を詳説したものだ。

テロリズムの恐怖による右翼国家(社会)主義が日本を転落させた主因だが、それらに国民の支持もあったのは確かだ。典型的な独裁国家のロシア・ロマノフ朝でも国民国家の面もあった。まして、日本は明治憲法下の立憲君主制の民主主義国家だった。
立花氏の説く、大学人の努力・抵抗は多とするものの、国民の支持する方向に国が向かうのは、たとえ結果が悪くても、仕方のないことだ。

戦後、自然と一億総懺悔となったが、それが今に至るまで徹底していない。
「ナチスが悪くドイツ国民は悪くない」に影響され、「東京裁判のA級戦犯だけが悪い」とする、国民一般を戦争指導者から切り離す免罪の論が、政治的思惑で出されたからだ。
靖国問題でのA級戦犯分祀による解決論も同じことだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿