6/11/2023

ダムの最大の破壊力は水圧

昔、巨大ダムが数多いことで有名な某県でダム管理の仕事をしていたときに、阪神淡路大震災が起きた。「本県でもし同様の地震が起きたら断層上にあるダムは大丈夫か?」という質問を受けて、ダムの耐震性を説明するのに最適だったのは「ダムは常時巨大な水圧を受けていて、それに耐える構造になっている。同じ水平力でも地震力はそれに比べると小さい」が素人向けわかりやすい回答だった。

ダムがその巨大水圧に耐えるのはダムコンクリートの一体化が保たれている限りだ。爆薬をコンクリート内に仕掛けて、ダイナマイトでトンネル岩盤を崩すように、瞬時に内部から爆発させ、バラバラにするのでない限り、一体としてマッシブなコンクリートダムは水圧に耐え続ける。

過去にダム湖に周辺の土砂が崩壊して、その大波がダム堤体を越水して、下流に莫大な被害をもたらしたことはあるが、ダム本体は無傷だった。なお、阪神地震の時、震源に近い一庫ダムの堤体は無傷だったが、天端にある水門などの鉄製の機械類は損傷を受けた。それほど揺れは相当のものだった。

0 件のコメント:

コメントを投稿