10/23/2016

グローバルに競争する企業が賃金を善意で上げられるはずがない

NHKスペシャル「マネー・ワールド」が第3集の今晩で終わった。

今晩は「巨大格差 その果てに」がタイトルで、「給与体系を変更し全従業員の賃金を同額にする企業、利益を分かち合う自治体―。過剰な富の追求は「幸福」に繋がらないという経済学が注目を集め始めているのだ(NHKのHPより)」がその内容の一部だ。

でも、企業がそのような平等化の試みを善意でしてもうまくはいかないと思う。企業はグローバルに競争している。少しでも製品の原価を安くしなければ、競争には勝てない。原価の主要な部分は賃金だ。世界の60億人が労働力市場の供給者となる。だから、世界的な労働市場で賃金は決まる。

そこで決まっている賃金を「幸福」を理由にして特定の企業で上げても持続できるわけがない。

これはもともとは共産党などが主張していた経済の成長のためには企業の内部留保を賃金として分配すべきとする政策だが、対立する安倍政権が同じことを言い出したのにはびっくりした。両政治勢力ともに競争経済がわかっていない。このNHKも。

幸福のための賃金を上げる原動力は「平等配分」ではなく「生産性向上」のための経営力そして技術革新だ。そのためにはかえって「平等」は害となる。それが共産主義を70年で滅亡させた理由だ。

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