「暴力がさらなる暴力を生む」からこれ以上戦いあうことはやめよう、とは良く言われる。でも実際は暴力的な戦争で双方が厭戦気分になって、終戦となる。
開戦時に両国民は戦闘的だ。しかし、実戦闘が民生にも及ぶことになれば、その被害、親類縁者の死、住居の破壊、インフラの機能がなくなり生活上の不便が長引く、それがガザ地区の住民200万人に及んだ。それが1年にもなれば、もう戦争は終わりにして欲しいとなる。イスラエルのほうも同様だろう。古今東西、戦争はそのようにして終わる。
日本人は太平洋戦争での降伏を選んで終戦した。米軍による各都市への空襲、沖縄では地上戦での惨禍、これらが四年間続けば厭戦気分はピークになる。鬼畜米英は憎いが、それより日常生活を戻して欲しい。米軍はそのことをよく知っている。徹底的にたたきのめせば、憎しみが生まれるより、終戦になる。日本人は戦後に逆に親米になった。終戦講和というのはそうなることが目的だ。
ガザの子ども達が将来、ハマスの予備軍になるはずがない。日本人の子どもであった私は、先生から戦争体験を教わっても、米軍への憎しみは全く生まれなかった。日本が正しかったかもしれないが、負けたら終わりだ。
勝ち軍のイスラエルは戦後に、敗者パレスチナ人に寛大に接することだ。そのことが再度の戦いを防ぐ力になる。