9/06/2024

「脱原発と裏金」言葉は正確に

議論をして実りある結論を得るためには言葉の定義を正確に理解することが不可欠だ。

「脱原発」は原発をゼロにするドイツの政策とは違う。ゼロにするなら福島第1の事故後に停止した全国の原発をそのまま廃炉の作業に入ればよい。日本の脱原発は将来、多様な電源が整備されて、原発に頼らなくてもよい状況になったら、原発を廃する。そのような電源開発の努力の姿勢のことを言う。もちろんだが、従来の原発に残る危険性が解決できる「改良型原発」もこの多様な電源の仲間だ。

「裏金」は自民党の主として旧安倍派のパーティ券売り上げノルマ超過分の還流金を政治資金に記載しないままにした法律違反のことだ。検察の捜査が入って個々の違反議員について処分が確定した。未記載状態を裏金と言うなら、いまは裏金ではない。政治資金として修正記載され支出も政治資金なら収支ともに政治資金となった。もし、個人の収入として使ったなら、所得税などの申告が必要だ。いずれにしても疑惑のすべての議員事務所においてこれらの事後作業が済んでいる現在、「裏金」だと現在の政治責任を問うのは適当ではない。

いずれも政治的にバイアスのかかった用語使いだろう。これらで議論が歪められるのは悲しいことだ。