3/19/2019

幼稚園と保育園は目的が違う


幼児教育のみならず「何のための無償化なのか」、もう一度、「人づくり」という原点に立ち返って、制度の詳細設計を進めてほしいと思います。(藤野解説委員)

 「幼児教育・保育の無償化」を消費税増税した財源で実施予定だ。ここで、幼児教育と保育とを区別する必要があるのではないか?前者だけを主として担う幼稚園と両方を目的とする保育園とは親のあずける動機として違う。

 就学前児童の幼児教育が必要とされていることは理解できる。それを義務教育なみに無償化しようというのであろう。

 問題は保育のほうだ。保育は厚労省の所管だが、貧困家庭への福祉の観点から実施されている。貧困のため両親ともに働かざるを得ない、あるいは、片親で働きに出たら乳幼児の面倒を見ることができない。乳幼児の養育は親がみることが理想だが、それができない貧困家庭はある。
 決して、比較的裕福な家庭の母親(父親)が「子育てのために仕事のキャリアを中断したくない」ための制度ではないのではないか。この場合には公的保育ではなしに、ベビーシッターとか民間主体の受け入れ事業がある。会社が必要とする人材だったら、企業内保育所を考えたら良い。

 「保育園落ちた日本死ね」の投稿者はそのような保育福祉の対象家族でないような気がする。「落ちた」のは福祉対象基準より裕福で、別途、子どもを預かってもらえる民間事業がある、という前提でだろう。

 「幼児教育・保育の無償化」の目的は幼稚園・保育園で行われる「幼児からの教育」のためのものだと理解したい。厚労省の保育福祉のほうの制度改善は別途必要だとしても。
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NHK.OR.JP
政府はきょう(8日)、幼児教育の無償化などを柱とした、2兆円規模の「人づくり」の... #nhk_kaisetsu

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