11/29/2006

チップは蔑視

久しぶりに海外旅行をした。東南アジアの某国だ。珍しくチップの習慣がある国と聞き、「いやだな」と少し緊張した旅となった。
日本人は旅行中のチップというと何故身構えるのだろうか?

逆の立場で、日本国内の旅館の従業員が外国のお客様からチップをいただいたときのことを考えてみる。お金をもらうのは嬉しいかもしれない。しかし、日本人の気持ちだったら、(余分の)お金の見返りなく、誠心誠意サービスをするだろう。だから、サービスの結果チップということになると、(チップを求めたサービスとの誤解から)心が金で買われた気持ちが残り、少しわだかまりがあるはずだ。

日本以外の国では、その種の従業者は、貧しいので、わだかまり以上に嬉しいのかもしれないし、なにしろ、チップを出す旅行者は大富豪で、金持ちは少しくらい貧しいものに金をくれても良いはずだという風土がある。身分の違い、所得の違いが固定されている社会の調整行為だとも考えられる。富豪はチップを出して、自分の所得の多さを自覚でき、もらう方は蔑視されつつも実利は得る、というバランスが働いている。

日本はそれら外国の習慣があてはまらない国で、その国民が外国旅行をしたとき(だけ)に大富豪の真似をするのはどうしてもおかしく感じられる。

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