7/21/2021

立花隆は民意に追随する週刊誌記者の側面が残っている

 「安保法案騒動のなかで、国民の相当部分が、安倍首相の平和マインドそのものを疑いはじめている」(「文民統制の危機」立花隆・文藝春秋2015年11月号巻頭随筆を再録)

 安保法案の国会審議で、(強行?)採決時に(元)ヒゲの隊長(佐藤正久参議院議員)が影で指揮をとっていたことをもって、シビリアンコントロールに問題が生じている旨の文章だ。

 徹底抵抗の野党が「強行採決」されたことを演じた。それが大衆の印象で、その意味では野党の作戦勝ちだった。

 そのことに立花が同様の感想(だけ)を持つのでは情けない。巻頭随筆なら、もっとこの法案自身の深い問題点を簡潔に説明したうえで、上記の安倍首相への危惧の文章になるべきだ。

 私からすると、明治憲法の統帥権の独立条項のみでシビリアンコントロールが侵された。戦後はその反省で、文民統制を法定化する努力がなされ、この安保法制で米軍との集団自衛権行使時も「存立危機事態」などの内閣・国会での決定が必要なことが法定され、自衛隊の独走を許さないようになっている。

 それにヒゲの隊長は元軍人であっていまは民間人の国会議員、立派なシビリアンだ。

(故人の有名人なので敬称は略しました)
文春新書『知的ヒントの見つけ方』立花隆 | 新書
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文春新書『知的ヒントの見つけ方』立花隆 | 新書
日々の暮らしには知的ヒントがうまっている 「知の巨人」は普段どんなことを考えているのか。日々のニュースから歴史に思いを馳せ自らの病から生と死を考える知的生活者の日常。

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