5/27/2022

遠くへ行くのが旅行だ

知らない町を 歩いてみたい ♪ どこか遠くへ 行きたい ♪

 これは「遠くへ行きたい」の歌詞冒頭だ。知らない遠いところへ行く、これが旅行の醍醐味だ。いつも住んでいるところとは風土人情が違う。そのような非日常の体験が旅行でできる。

 いまコロナ対策だとしてマイクロツーリズムが推奨されている。それでGoToトラベルも近県しか対象にならない。勢い、豪華な旅館で美味しい料理を目的として、その高費用の一部を補助で得るようになる。日常のホームステイと違うのは外泊だけだ。

 全国版のGoToが待望される。海外旅行が不便なままの現在、日本にも遠くで知らないところは沢山ある、ということのPRにもなる。

遠くへ行きたい  中村八大/作曲 永六輔/作詞

5/22/2022

東京での割合が一割に減ってきた

新型コロナの毎日の陽性者数を日本の各都道府県別に比較すると、最近は東京都は3,000人程度、全国では30,000人程度だ。注目したいのは東京都のシェアで、ほぼ一割となっている。思いおこすに昨年までの第5波まででは二割ないし1/3程度だった。東京都の人口の対全国率は11%だから、大都市ほど感染者の対人口率が大きくなる感染症だった。人口密度が大きいからだろう。

 ところが今年になってからのオミクロン株ではその傾向が徐々に見られなくなって、全国一律の感染者対人口率になったかのようだ。これは東京など大都市での感染が全国あまねく広がった結果と言えるが、それでも東京での感染がさらに多くならないのは人口密度とは無関係の感染、人混みのあるなしにかかわらず感染しやすくなったオミクロン株なのかもしれない。もちろんだが、ワクチン接種が普及して、東京ではそろそろ未感染者が少なくなっている、自然免疫に近い状態になっている(山火事理論でもある)のかもしれない。いずれにせよ、各都道府県別のデータを大所で比較するとそのような疫学的真理に迫れるかもしれない。

5/21/2022

PRに勝つものが戦争にも勝つ

 「ドンバス地方に何かを持ち込みたいなら、(西部)リヴィウのウクライナ税関を通す方がまだ早い」との皮肉(記事より)

 古今東西、全ての戦争が補給の強弱でその勝負が左右されてきた。今回も同じだ。ウクライナは欧米諸国からほぼ無限と言ってよい補給を受ける。戦争では「たまに撃つタマがないのが玉に瑕」と言われるのは自衛隊だけでない。例外はウクライナ軍で、援助武器なので惜しむことなく撃てる。これでは弾薬すら不足する露軍はかなわない。

 ウクライナ政府がすべきことは援助武器が効果的に露軍を撃退していることと露軍の非人道性を世界にPRすることだ。そうすれば継続して援助が得られるようになる。ドローンを飛ばしてまで以上のPR材料を撮影しているのはそのためだ。

 似たようなのに、貧困地域への食料援助とか貴重な野生動物保護の運動に寄付を募るときだ。前者にはアフリカの痩せ細った子どもが出演するし、後者には日本の捕鯨船をシーシェパードが邪魔をする、それらの映像をTVで流せば多額の寄付金が集まること間違いなしだ。それにはTV放送と寄付申込の0120の無料電話が必要で、それらにかかる費用はわずかなものだ。

5/17/2022

9条で平和になったのは世界のほう

「憲法9条があったから戦後日本は平和だった」と因果関係が飛躍した議論をする人がいる。その因果途中には各プロセスがあることを理解しなければならない。

 日本を非武装化するために米占領軍は憲法9条を押しつけた。ときの総理の吉田茂はこれを逆手にとって、国土防衛を占領解除後も米軍に委ねることに成功した。そのために日米安保条約が結ばれたが、通常の相互防衛条約でなく、片務条約で一方的に米軍に日本防衛の責務が生ずることになった。対する自衛隊は憲法上海外派遣ができないので、米国を守るための参戦はできない(自衛隊員も死なないですんだ、これも平和の定義だ)。

 国土の防衛でも、圧倒的戦力で核保有の米軍を相手に侵略する国はなく、自衛隊もその名前以上に世界有数の軍事力を誇るようになった。これは9条を非法に解釈変更したからだ。

 風が吹けば桶屋が儲かる、と言えば、その因果関係は直接にはないことが容易に理解できるが、9条の平和条項があるから平和になった、と平和繋ぎで飛躍されると詐欺以上の効果がある。

5/14/2022

戦う前にウクライナにもすることがあった

露宇戦争(第2次、2022.2.24〜)でロシア軍は見込み違いを悔やんでいるに違いない。こんなに苦戦するなら開戦しなければ良かったと。

戦争はこのような見込み違いから勃発し、引くに引けない苦境になって不幸な結果をもたらす。ロシア軍の見込み違いは第1次露宇戦争(2014.2.23〜)でのクリミア奪取などの容易だった戦果見込みを今回も踏襲したことだ。ウクライナ軍はその時と同じく弱いと誤解したが、この8年間でウクライナ軍は強くなっていた。

露宇戦争はロシアによる一方的なウクライナ国土侵略で、ロシアを責めるほかないが、誤解させたウクライナにも開戦を防ぐ手段があったはずだ。だから戦争の第二原因者とも言える。

ロシアのような無法な国でも勝てないあるいは苦戦する戦争には踏み切れない。戦争を回避するには軍備を仮想敵国とバランスすることとそのことを積極的に見せることだ。その点、動物の間の争いはその知恵が自然と備わっている。殺し合いの戦いをする前にお互いに自分の強さをディスプレイする。その結果でどちらかが戦わずして引き下がる、という知恵だ。それが人類にないのは悲しい。

5/07/2022

世論調査をより深く知ろう、9条と原発

同じ調査で、9条1項、2項はそのままにし新たに自衛隊の存在を明記する自民党の9条改正案を問う設問では、賛成が55%と反対の34%を大きく上回っていた。(産経抄)

 「察するに有権者の多くは9条改正と聞くと、平和主義を放棄するようなもっと抜本的な変化を思い浮かべて忌避するのではないか。(同)」が理由のような気がする。新たに3項を付加して自衛権とそのための戦力保持は2項の例外とすれば国民の大半の理解は得られる。 

 同じく国民レベルの理解で有識者間と違うのが、原発忌避感情だ。国民は原爆被害とか福1の事故から「できれば原発なしに」と素朴に考えている。ところが、カーボンフリー社会の必要性とか化石燃料に頼ると安全保障上ぜい弱だという最近の知識が付加されると、「原発やむなし」の意見に変わる可能性がある。

以下、産経抄5/7全文

世論調査は、時に矛盾した数字を導く。それを端的に示したのが、憲法記念日の3日に朝日新聞が掲載した全国世論調査だった。それによると、憲法9条を「変えるほうがよい」は33%にとどまり、「変えないほうがよい」の59%に遠く及ばない。9条改正は支持されていないようにみえる。

▼ところが同じ調査で、9条1項、2項はそのままにし新たに自衛隊の存在を明記する自民党の9条改正案を問う設問では、賛成が55%と反対の34%を大きく上回っていた。はて国民の判断はどっちなのか。調査結果はつじつまが合わない。

▼察するに有権者の多くは9条改正と聞くと、平和主義を放棄するようなもっと抜本的な変化を思い浮かべて忌避するのではないか。または自民党の努力が足りず、自衛隊明記案がまだ十分に浸透していないためか。あるいはその双方が原因か。

▼自衛隊の9条明記案については、読売新聞も3日掲載の全国世論調査で質問していた。回答は賛成58%、反対37%と朝日と同様で、どちらも20ポイント以上賛成が多い。読売の調査では、憲法条文を改めたり、条文を加えたりする方がよいと思うものを複数回答で聞いたところ「自衛のための軍隊保持」(45%)が最多でもあった。

▼平成30年1月実施の内閣府世論調査でも、自衛隊に良い印象を持つ人は約9割に達した。まして日本の周辺国は現在、ロシアがウクライナを侵略し、北朝鮮は一つ覚えのようにミサイルを発射し続け、中国は台湾への侵攻意図を隠さない。自衛隊の憲法への位置付けは急務である。

▼「自衛隊の違憲論争に終止符を打つ」。こう述べる岸田文雄首相には有言実行を願う。多数派の国民は、憲法が定める国民投票の権利を初めて行使できる日を待っている。