5/10/2023

感染症対策の基本は国民を動かす力だ

天気がよい日が続くので、昨日は鎌倉、今日は渋谷と出かけ、歩いて、マスク着用率を比較してみた。鎌倉は外国人観光客が多いにもかかわらず、マスク率は90%を超える。渋谷は50%程度だろうか。外国人は「日本に来て日本に従う」フレンドリーな人が多いので、観光地かどうかはマスク率にほぼ無縁だ。たぶん、流行は東京で始まり、地方へと普及する、というのがマスクにも当てはまるのだろう。周りを見て自分の服装なりを決めていくのが流行の定義だ。

その流行、と言えば、新型コロナの感染が流行そのものだ。これも大都市から始まって地方へと拡がった。最初は全国の感染者数の半分ないし1/3を東京で占めていたが、最近は、全国各県人口あたり感染者数が同等になりつつある。オミクロン株はちょっとした人混みでなくても感染する。

5/8からのマスク着用の「個人判断」が始まって、未だ日が浅い。まだまだ東京での少着用率が地方に拡がるには時間がかかるだろう。それよりも、今日みたいに初夏の暑さがその脱用スピードを加速してくれるだろう。マスク脱着版イソップの「北風と太陽だ」。感染症対策は国民全体の行動での協力が必要だが、難しい理論(北風)で脅すより、年月の経過と季節の変化(太陽)が国民を動かす力は大きい。

3年前は、理論で脅すより、志村けん氏の悲劇が国民を動かした。国民は肌感覚で感染リスクを量っている。上からの理論に屈するような庶民ではない。それが「個人の判断」ということで、それでしか対策はできない。

5/08/2023

5類になっても新型コロナは困難な病

感染症法上の2類から5類に新型コロナが格下げになった。そうなっても新型コロナが未だ困難な病(難病)であることとは無関係だ。オミクロン株へと変異して、感染力は強くなったが、全体としての致死性などは低下した。それがウイルス変異の一般則だ。しかし、高齢者とか基礎疾患者には重病化の危険は残っていて、全世代、後遺症も解明されていない。

だからといって、感染症上の類型を格下げしない理由にはならない。感染症対策としては、個々の患者が重篤かどうかと言うより、感染が流行して重症化する患者が増加し、医療の対応、とくに、重症病床が不足する怖れが出てきたので、その対応を整備する時間を稼ぐために、緊急事態宣言するなどして、住民にも感染防止行動をとるように指導してきた。3年目の本日5/8になってようやく、その感染症対策の類型を下げることができた。

この間、感染と重症化との予防のためのワクチンが開発され、治療薬も普及され始めている。難病であることは変わらないが、今後は通常の医療で対応する(できる)ことになる。感染させないことと感染を受けないこととは「個人の判断で」となるので、各人がそのリスクを考えて行動することになる。マスクで固めていても感染確率はゼロにはならない。

以上に対し、まだ難病だから2類のままで、という主張は、それら類型が公衆衛生上の感染対策を社会で行わざるを得ないことから、ということを理解していないのではないか。 

5/01/2023

充電池性能があと七倍になったら

電気自動車とガソリンエンジン車を比べるのに最適なのがプリウスの新型だ。同じ型式で、HVとPHEVがラインアップされている。共通するのはHVシステムで、エンジン排気量は約2,000cc、後者には11.63kwhのEV走行用の充電池を搭載。EV走行は87km航続可能。

車両価格は370万円と460万円(差額90万円)、車重は1,420kgと1,570kgでPHEVが150kg重い。

この2つの諸元で比較すると、PHEVへのCEV補助金は国から55万円、都民の場合は都から45万円なので差額の90万円は埋めることができる(HV補助金は終了している)。重量の差の150kgは大人2人分くらいなので気にはならない。

もしBEVが希望だったら、航続は500km位欲しい。そうなると重量差(充電池)も6倍ほどになる(900kgだ!)。HVシステムが不要になるので、差し引いても数百キロ重くなる。この重さを乗せて、ちょい乗りでも燃費(電費)の効率が悪い走行を強いられる。充電池の容量いっぱいを使う長距離ドライブは年に何回もない。いまのままの充電池の性能だったら、重すぎ、そして高価すぎる。たとえば、500wh/kg程度に軽くなれば理想的だ。いまは11,630wh/150kg=78wh/kgなので、七倍重い(高価)。