3/19/2024

世の中、多変数で動いている

もちろん物理学などのように一つの理論で完全に説明できるものもある。しかし、地球温暖化の将来気候学も物価予想も一つの変数では動いていない。前者はCO2濃度だけでは説明できず、後者は社会心理学であることからも、日銀(各国の中央銀行)の操作する市場金利だけで動かない。

後者は金利操作だけで物価水準(インフレ率)が動くはずだったが、10年以上も微動だにしなかった。そこに米国などの高インフレと金利操作の副産物である為替レートが円安に振れることで、30年ぶりの外部から強制された物価高になって、日本の消費者の強固なデフレマインドが切り替えになった。つまりは10年間、無駄な仕事を日銀はしてきたことになる。ご苦労様。

前者は2050年頃までにカーボン・ニュートラルを達成すれば1.5℃程度の上昇に抑えられるはずだとしている。しかし、CO2濃度以外の気温変動要素変数があるはずで、それらの寄与度が高ければ(CO2の寄与度が低ければ)1.5℃上昇になるか分からない。

10年間無駄な期間を過ごしたデフレ対策の教訓をくみ取れば、あと四半世紀の期間のCO2対策をもう少し基礎から見直したほうがよい。両方とも「急いては事をし損じる」だ。

3/07/2024

ハマス軍が全面降伏すればガザ市民が助かる

ハマス・イスラエル戦争はイスラエル軍の勝ちで終わる寸前だ。問題は戦場に残されたガザの市民の生活が悲惨なことになっていることだ。この状態を解決するのはハマス軍が全面降伏することだ。兵士は武装解除して市民の間に紛れ、逃れても良い。司令官以上はカタールなどに亡命する。無条件降伏ではない。

太平洋戦争で米軍に降伏した旧日本軍に似ている。昭和天皇のポツダム宣言受諾がなければ、そのまま本土決戦になり、日本国民はさらに悲惨なことになっただろう。いまのガザと同じことになったところだ。戦争を始めた軍は戦争を終わらせる責任がある。

3/03/2024

政倫審は時間の無駄

ある自民党の衆院議員は「政倫審をしても新しい内容が出ないことは、みんなの共通認識。あまり興味がない」と突き放したように話しました。(読売TV)

 新しい内容がでないどころか、ボロも出ないことは明らかだ。なにしろ、自民党の疑惑議員は検察の捜査で、任意でも取調べを受けている。その厳しいやりとりが政倫審での予行演習になっているからだ。検察の取り調べ記録は起訴されない限り公開されない。国会でもそうなる。国会議員と言えど、プライバシーはある。政倫審でそれを押して聞いても「答えない(はぐらかす)自由」はある。

 そもそも政治家が政治家を審問するのは危険だ。政争になるからだ。さらには審問する側の技術も備わっていない。言い逃れに有効な対抗能力がない。なにより時間の無駄だ。1ヶ月の予算委期間をこの裏金問題で消費したら、予算のほうが審議不十分になるのは野党の責任だ。

 私が疑っているのは、野党は膨大な予算案に対し十分な把握ができていないので、やむなく政府攻撃の予算無関係な質問に時間をつぶしているのだろう。この点で、指導力を発揮しない予算委員長を解任する動議は意味がある。