1/31/2011

エジプトと比べて、下が対策専念では国が改革しない(中国)

 イスラム諸国での民衆革命の流れがチュニジアから始まり、大国エジプトに波及しようとしている。ソ連崩壊時の東欧革命の大変動に比せられるようになるのか?いずれにせよ、民主主義の手続きで正統な政府を選んでほしい。その点、先輩国のイランのイスラム革命政府に手続きでの正当性があるのか検証すべきだ。すべてが米欧が恐れるイスラム革命になるかどうかわからない。
 北朝鮮の国民には言論の自由ばかりか通信の自由もないので、下からの革命は無理だ。
 中国は比較的自由な社会で、外国にも開かれている。そこで、民主主義の普通選挙が行われない一党独裁政権が続いているのは何故か。インターネットの規制とかいろいろ理由があろうが、「上に政策あれば下に対策あり」の中国の四千年の歴史が原因しているのではないか。自分さえ良ければ(経済活動の自由)、政治は上のすることだと無関心になる、その達観が国を危うくしている。

1/28/2011

S&Pの格付けは素人の知識にも劣る

 S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)が日本国債の格付けを一段階下げてAA-としたが、格付け会社がわざわざ投資家のために格付けをする意味、資格がわからない。格付けは株なら株価、国債などの証券なら時価(利回り)となってあらわれ、それは全世界の投資家による「投票」でなされている。初心家向けに教えてくれているのかもしれないが、間違いだっらそれこそ素人をだましたことになる。2008年のリーマンショックでそれ以前の格付けがすべて誤りだったことが白日の下になったのを既に忘れているみたいだ。
 格付け会社の言っていることが半分以上でも正しければ、格付け会社の社員がまずは投資をしたらよい。いまごろ億万長者になっているところだろう。
 聞くところによると、日本国債の発行残高が1,000兆円にも達し、先進国では最大の対GDP比率になるのを警告する意味で格付けを下げたらしい。そんなことは全世界の誰でも周知のことで、余計なお世話だ。むしろ、国債が巨額の残高でも利回りが史上最低(高値維持)となっている日本経済の底力の理由を知りたい。

1/27/2011

政治家としてのべき論から解散・総選挙を

 衆院解散・総選挙は総理の専権事項には違いないが、政治家としての理想論で言えば、政権与党の延命のために解散をギリギリまでしない(任期満了ちかくまで延ばす)というのではないのだろう。前回の総選挙で政権を得たあとに、重要な政策案件がでてきたら、その政策を旗印に国民に信を問うため、解散総選挙に訴える、というのが正道だ。民主党政権で言えば、消費税増税と社会保障の問題、TPPへの参加の是非などが新規の重要政策であり、あわせて、前回総選挙の2009年マニュフェストで一部撤回するものがでてきた、というのも総選挙の争点だ。だからいま、解散・総選挙に打って出るというのは菅政権として当然の政治行動ではないか?

1/26/2011

核心的利益、愛国無罪、造反有理・・・

 「核心的利益」という外交用語を中国政府は使う。絶対に譲歩しない、という意味らしい。とすると、「交渉」にならないではないか。
 中国国民は「愛国無罪」のプラカードを掲げ、日系企業の打ち壊しに参加する。4文字熟語ですべてが許されるらしい。「造反有理」というのも文革当時にはあった。中国は政府も国民も他国(他人)との議論で結論を出していこうという近代社会的なものをもっていないのではないか?

1/25/2011

国立市民の不便(パスポート取得時)

 パスポートの更新手続きに都庁に行った。用意するものは埋め込み用の写真一枚と手数料16,000円(受け取り時に必要)だけだ。住民票はいらない。住民基本台帳で確認できるからだそうだ。ただし東京都では国立市民は必要だという。国立市は市長が住基ネットへの加入を拒否している。そのために市民全員が迷惑を受けているのだ。横浜市がそうだったと思うが、拒否者のみが加入しないようにすればよい。市民全員を道連れにする権限は市長にないとおもうが、どういう考えからなのか?
 おりしも、以上の市民派の考えに同調していた民主党が政権を担うようになって、国民共通番号制度の必要性を唱え始めた(与謝野大臣)のは、何とも皮肉な話だ。

1/24/2011

民主主義は目的ではなく、プロセスに過ぎない

 阿久根市の竹原市長がリコール後の出直し選挙で敗退した。勝ったリコール派の新市長・西平氏は「竹原市政の改革はおおむねよいが、専決処分などの手法がよくない」と批判している。この選挙結果に対し、多くの評論は「民主主義のプロセスは迂遠だが守らなければかえって危険になる」というものだ。新市長は新規まき直しで議会とのプロセスを重視し、前市長と余り変わらない結論を得ようとするのだろうか?無駄なような感じがする。
 文痴は、プロセスよりも結果だ、とまでは言わないまでも、プロセス重視だけを金科玉条にするのは疑問に思う。ローマは紀元前、共和制では危機に対応できないことを知り、帝政に移行、皇帝=第一人者を選んでかなりの権限を与え、ローマ帝国による世界の平和(パックス・ロマーナ)を達成した。逆に戦前の大日本帝国は明治憲法の民主主義下で「国家意志がバラバラな国に成り下がり」陸海軍相争い、肝心の敵国・米国に完敗した。
 文痴はその話を劣化する行政技術者と題したなかで、戦後の日本でも、「官僚組織あるいは民間の組織でも、プロセス(組織内秩序)重視で結果軽視(出たとこ勝負)の組織運営は継続している」と書いて、日本人のあいも変わらぬ劣化メンタリティを評した。

インフル鶏とは違い、口蹄疫の食肉は流通できないか?

 東国原知事がお別れ会見をした宮崎県でいま、東国原氏が在任中苦労した口蹄疫に引き続き、鶏インフルエンザが流行している。こちらのほうは豚などを介在して人間にも伝染する代物だから、是非、撲滅してほしい。介在する野鳥などとの接触が起こりえない「クリーンルーム」的な環境で養鶏業を営むべきなのだろう。豚では完全クリーンなSPF豚などの先例があり、「安全、安心、美味」で高級品化に成功している。卵だってそうなってもよいのではないか?
 一方、口蹄疫のほうだが、韓国でまたもや猛威をふるって、世界的には例年の流行になっている。人間の移動がウイルス伝搬の主原因だというから、国境(県境)の人間の移動を禁止しなければ、撲滅に完全を期すことはできない。鶏インフルエンザは渡り鳥によるもので、「渡り」もまた事実上「禁止」できないのと同じだ。
 ここで考え方を変えて、口蹄疫牛豚は殺処分するのではなく、ワクチンなどで症状を和らげる(治療する)ことにし、食肉として流通させてもよいのではないか?料理に火を通すことが通常だし、ウイルスは通常では人間にはうつらないと(宣伝で)聞いている。

1/21/2011

フランスと観光で張り合うのは無理(観光庁)

 観光庁(国土交通省)の資料をみていたら、「外国人旅行者受入数の国際比較」のグラフがあった。2009年の各国比較では一位のフランスが7,420万人/年、日本は33位の679万人だ。フランスの一割にも達しない。観光庁はこの数字をもって我が国の観光政策のいっそうの奮起を誓っているようだ。
 でも、比較するには少し酷でないか?フランスは(あるいは三位スペイン五位イタリアも)観光資源は確かに多いが、来る外国客も来やすい。陸続きの移動が大部分で、EU圏内からだったら国境は自由に通過できる。日本へは韓国、中国、台湾が三大外国客となる。まずは近いことがその理由だ。しかし、島国日本へは事実上航空機を利用せざるを得ない。航空機では高い費用と旅客容量からの制約の面で不利だ。対中国ではビザの審査が厳しい。
 13億人の中国が近いということは、観光客を誘致しやすい最大条件だが、中国の現状を見ると、大部分の国民の経済力の低さなどから、すぐに観光客10倍増にはならない。日本の観光庁で努力できる範囲は限られている。

1/19/2011

新憲法下では菅内閣不一致はあり得ない(消費税)

 消費税増税へのレースで、まず藤井官房副長官が麻生内閣時の法律附則を根拠に2011年度末(来年3月)までに消費税のあり方に道筋をつけるべきだ、と鬨の声を上げた。与謝野経済財政大臣はもちろん同調。ライバルの海江田経産大臣は消費税増税の前には総選挙で洗礼を受けるべきだと反論。その論争を見て野党は閣内不一致状態ではないかと大騒ぎだ。
 よく、閣内不一致だと言うが、すべての大臣は総理大臣が任命したものだ。だから、総理の方針に「不一致」の大臣は更迭して「一致」する人に替えれば済む。菅首相が上記に確たる方針を示さないことがむしろ問題なのだ。
 戦前の内閣は大日本帝国憲法(明治憲法)の規程で、天皇が元老あるいは枢密院の助言のもと内閣総理大臣とほかの国務大臣も任命した。総理大臣はじめ「国務各大臣ハ天皇ヲ輔弼シ其ノ責任ニ任ス」(55条1項)としたので人事権おろか業務命令権もなかった。総理大臣は大臣の間の筆頭にすぎない、と言う位置づけだ。「総理」あるいは「首相(首班大臣)」と言う名称はその意味あいを引きずっている。
 だから、閣内不一致、ということが頻発した。それを日本国憲法下においても問題としているのは惰性としか言いようがない。

1/17/2011

与謝野氏「丸抱え」は大連合と同じ

 与謝野馨もと官房長官(安倍内閣)が菅内閣の経済財政相となった。まさか大臣病患者ではないだろう。大臣は自民党時代に何回も歴任している。なっていないのは総理大臣くらいだ。
 だから、要の経済財政相となったら、思う存分自分の政策を実行するだろう。菅首相もそれをむしろ期待・覚悟して起用したのだろう。昔は野党の政策を与党政府が「丸呑み」した、と言ったが、今度の場合、野党の人そのものを政策ごと「丸抱え」(全権委任)した、と表現するのだろうか?民主党と自民党などとは政策に大きな違いがない分野が多い。それが与野党争うと妥協できないが、人が行くことによって「大連合的」に進むのではないだろうか?

1/16/2011

支持率が低くなったのはマニフェストに反対になったのではないか?

 菅内閣は支持率が低くなっても解散しないだろう。負けるとわかっている戦いはしないものだ。そのことはわかったうえで、なぜ支持率が低くなったかの理由は分析する必要がある。
 菅内閣というより鳩山前内閣から続く民主党内閣だからだろう。一昨年の総選挙で掲げたマニュフェストが実際に実行されようとしているときになって、初めておかしいとわかった、というのと、逆にマニュフェストの実行が遅々として進まない、の正反対の二つが不支持の理由となる。どちらかというのでなく、どちらの有権者がどのくらいいるかを知りたい。(菅内閣は後者の意見をあてにし、あと二年待って欲しいと言っているわけだが)
 それを国民に客観的に知らせるのがマスコミの役割で、民主党党内政局などの表面だけをトレースするだけではおかしいと思う。そのためには世論調査でも具体的に子ども手当とか農家への戸別補償の賛否を問うて欲しい。

1/14/2011

57.6%は単なるショック数字?

 大卒の就職内定率が57.6%にしかならないと大騒ぎだ。一人で複数の内定をもらって、ギリギリまで離さないものもいるから、最終の実数はどうなるかわからない。学生を対象に調査する内定率のほかに求人の企業を対象にした「求人充足率」というものはないのだろうか。いずれにせよ大卒有効求人率がいくらになるのか知りたい。まさか0.6程度と低くはあるまい。
 原因として、インターネット時代だから、いままでより広範に求人と求職の活動が交錯するのだから、その分競争が激しく内定率が下がる、というのがあった。でも、その方が労働市場としてはより機能することになっている。いままでは、数回のお見合いで決めたようなものだったが、最近は自由恋愛それも合コンを何回もやってやっと理想の相手を見つける、というような類似ができる。
 いずれにせよ、4月以降に、就職した(できなかった)学生、新社員を迎えた(充足できなかった)企業の数・率を調べれば実態がわかるはずだ。57.6%ショックというのは為にするニュース用かもしれない。

1/13/2011

西岡議長の発言を理由に更迭すべき(仙谷長官を)

 仙谷官房長官が自身に対する参院による問責決議を「法的根拠がなく従う必要はない」としているのは字面から見ると正しい。衆院の不信任決議の法的なものとは違うからだ。だから、菅首相が仙谷長官を更迭する場合は問責を理由とはしないだろう。問責を含めいろいろ政治的に考え総合判断した、と言うのが適当だ。
 そのさい、菅内閣に対し、西岡参院議長が仙谷長官の罷免を政治的に主張しているのが助け船になる。議長の決断は重い。中立の議長それも民主党出身の西岡氏の意見であればこそ党派性がないからだ。菅首相はこの議長の発言を主要な理由として決断したらよい。

1/12/2011

菅首相の「国際炭素税」は逆に矛盾を明らかにするもの

 少し前の新聞報道に菅首相が地球温暖化対策の二酸化炭素排出削減のあり方について新しい提案をしたのが紹介されていた。それは中印などの新興国を削減枠組みへ誘導する考え方を示すもので、一人あたり排出許容量を世界で同一量(平等)とするものだった。
 2009.11.10に文痴は環境税でなく炭素税をとの考えを書いた。その最後に「国際炭素税」として世界同一税率を提案したので、考えは同じになる。
 これがなぜ新興国への誘導策になるかというと、世界のすべての人が同一水準の排出量──すなわち豊かさということになるが──を甘受できるという平等性からだ。いままでの国別の現況排出量をスタートとして議論されたら、新興国にとって今後の発展と人口増に支障をきたすことになるから反対してきたのだ。
 しかし、その新聞の結論は逆で、菅首相の考えでは莫大な排出権が新興国に(今後とも)残り、そもそも地球環境にとっての許容量を守るところでなく、現状よりも大幅に超過してしまうのであり得ない話だ、と結論づけている。
 以上が二酸化炭素削減の国際的枠組みを進めるうえでの根本矛盾で、二酸化炭素による人為的地球温暖化説のメカニズムが曖昧なこととあわせ、今後致命的な隘路となること間違いない。

1/06/2011

小沢一郎インタビューを見ても結論は変わらない

 昨夜のBS11の番組INsideOUTで民主党元代表小沢一郎氏へのインタビューを見た。裏番組では菅首相のインタビューがあったが、同時なのでそちらは見られなかった。インタビューの前半大部分は外交問題、日中、日米の関係のあり方で、これは自民党政府時代でも共通する党派を超えたテーマで納得はできた。最後の部分で民主党内抗争に及んだが、これは菅代表とじっくり話し合うしかない問題と思われる。菅内閣政府ではなく、あくまで、私党・民主党内の問題だからだ。
 菅首相は小沢問題を公明党などとの連立への隘路として解決すべきものと考えているのだろう。しかし、それだけではないのではないか?小沢氏も言っているとおりだ。菅内閣の政策に問題がある。ねじれ国会のなかで与野党議論を尽くして結論を出せばよい。国会とはそういうものだ。連立与党で安定多数を形成して「自動的」に近く結論を出すものではない。

1/04/2011

二年半、衆参ねじれのもと政治が続く

 自民党ほかの野党は衆参ねじれ下で一刻も早い解散総選挙を菅内閣に迫っている。菅内閣の失政、民主党の党内対立で、いま総選挙すれば与党民主党は惨敗する政治状勢だからだ。
 結論から言うと、菅内閣あるいはそれを引き継ぐかもしれない民主党内閣は解散をしないだろう。衆院での安定多数をわざわざ失うという自殺策をとることはないからだ。勝ってもねじれは解消しないし、負けても与野党替わって、反対のねじれになる。自民党の小泉~安倍~福田~麻生の四年間の政権でも同じ判断で、任期切れ近くまでやった。「熟議」して、両院すなわち与野党で妥協をはかっていくしかないのではないか?お互いの両院での勢力差を変えることができない前提で進めるしかない。または、与野党の境界線を変更する(政界再編)のか。いずれにせよあと二年半。