11/27/2020

感染原因をもっと特定して守れる範囲に

 このまま感染者が増え、それに比例して重症者が重症者用ベッドを占めていくようになると、医療崩壊の恐れが現実のものになる。

 感染者をこれ以上の速度で増えないように制御するには、人と人との感染の機会を少なくする、三密回避、社会的距離の確保、マスク、手洗いの「行動変容」原則を今一度確認することだが、それは第一波の手探りの対策時のことであって、いま、感染実例がかなり収集できているからには、それらの原則のうち絶対に守るべき部分を精緻に特定していく必要がある。幅広く制限するままだと、一部守れなくなるばかりか、全く守られなくなる要因ともなっているのが現在、感染が収まらない原因の一つだろう。

 三密は密閉、密集、密接の三つのどれかが避けられればよい、のが当初の理屈だったが、いまはそのすべてが満足しなければならなくなってしまっている。野球観戦では少なくとも密閉は避けられる観客席なので、構わないはずだ。実際、感染実例はでていない。当初の実例、ライブハウスは密閉で、狭い空間に多人数(密集)、観客まで参加の熱狂(密接)だった。飲食店など、冬期の室内でも室温を下げずに完全な換気ができる設備があれば、密閉にはならない。その設備に改装する補助金を与えればよい。

 他にも、社会的距離が確保できるなら、煩わしいマスク着用の必要性は薄い。手洗いは個人習慣なので、その行動変容は徹底しても経済活動に支障とはならないだろう。

 感染の半数は経路が分からないが、半数は分かっている。その実例を個人を特定しない範囲で開示していくことが求められている。いまになって相も変わらず、「三密すべて回避、社会的距離確保、マスク、手洗い」のすべてを、と言っていてはダメだ。

11/18/2020

新型コロナウイルスは撲滅できない(普通の風邪として生き残る)

 迷走する安倍政権は緊急経済対策でも国民の期待に応えられなかった。(産経新聞出版)

 門田隆将氏といえば安倍内閣寄り一番の評論家だ。その門田氏が安倍内閣は新型コロナ対策で失敗した、と評する。

 でも、この書は6月発刊、たぶん書き上がったのが5月の中旬として、第一波の情報にしか基づいていない。それでも、その頃には感染爆発の恐れは少なくなって、当初の目的の医療崩壊にはなっていない。それを「後知恵」で中国からの入国などをなぜ早めに止めなかったのかと非難している。

 感染症対策はまずはその病原ウイルスの性質を早く突き止め、それで分かった範囲で対策を柔軟に変更して実施していくのが方法だ。謂わば「試行錯誤」なのだ。三月末の学校一斉休校などいまになってみれば必要なかったものは錯誤になる。その錯誤は他にもあったと思うが、結果として5月中旬の一段落を迎えたので、安倍内閣は成功したと言っても良い。政治は結果責任だ。厚労省の国境管理が甘い、と非難の大合唱だが、水際作戦(1人も感染者を入国させない)は不可能で、それはできるだけ少なくするものの、感染の爆発をさせないようにクラスターを潰していく、医療崩壊をさせないように患者数の急増は避ける、という当初からの方針だ。それは今も変わっていない。患者ゼロにできないししなくてもよい(ここが分かっていない論者の脳内を推測する悪趣味はないが)。

 6月からの「第二波、第三波」だが、これも患者発生状況と重症患者数の現在数からの医療対応をまたよく見ながら柔軟に対応していくしかない。これからのことは分からないことばかりだ、神様でないのでそれしかないと思うが。
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書籍『疫病2020』|産経新聞出版

11/13/2020

感染情報と防疫知識の普及が施策のほとんどだ

4月に西浦センセイが8割削減しないと大変なことになると警告した。それを日本では自粛なので8割にはならなくても5月の中旬にはほぼ感染急増状況を収めることができた(第一波)。結果が6割程度でも効果はあり、10割の完全までは必要なかったことが、不完全であっても自粛のミソだ。

 ロックダウンとか強制しなくても、個々人は自分の命が大切だから、社会的距離確保など防疫行動はする。その感染を受けない行動が逆に無症状者であってもその人からの感染を広めないことになる、両方向性がある。日本人はそうする率が多い社会だ。GoToなんとかでそれが感染の機会になりえても経済のために少しはやってみる価値はある。しかし、それで感染が急拡大するようだと、その利用者はその情報だけで利用を自粛するだろう。

 何も社会の防疫のために協力しているだけではなく、自分の命が大切だからで、それが防疫効果の基本だ。その基本が続くように、感染情報とその防疫知識を国民くまなく知らせていくことが最大の施策だ。その基本が続かないようだと、感染は爆発(オーバーシュート)するか、その直前の危機的状態にまでいったんは達するだろう。その時は他の先進民主主義国と同様に「強制力」を使ってでも押さえつけなければならなくなる。

11/01/2020

大阪府を廃止して関西州へ

 大阪だけの問題でなく、日本の地方制度は、明治維新から百年間、根本的な改革を怠ってきた(八幡氏)

 住民投票の日になんだが、府と政令市の二重行政解消には府の廃止、という手もある(それが道州制だ)。100年間の地方制度で矛盾が出ているのは中間自治体の方の都道府県の存在だ。戦前は官選知事で、国の出先機関の位置づけだったが、戦後に民選になって、それでも国の出先機関という性格は残っている。民選知事もやりにくいだろう。

 時代の変化に伴って都道府県も数を少なくして権限を国から譲る。それが道州制で、その一つの関西州の一つの市としての大阪市なら残してよい。
大阪都構想:毎日新聞や共産党が反対だから、良いことかも