11/18/2020

新型コロナウイルスは撲滅できない(普通の風邪として生き残る)

 迷走する安倍政権は緊急経済対策でも国民の期待に応えられなかった。(産経新聞出版)

 門田隆将氏といえば安倍内閣寄り一番の評論家だ。その門田氏が安倍内閣は新型コロナ対策で失敗した、と評する。

 でも、この書は6月発刊、たぶん書き上がったのが5月の中旬として、第一波の情報にしか基づいていない。それでも、その頃には感染爆発の恐れは少なくなって、当初の目的の医療崩壊にはなっていない。それを「後知恵」で中国からの入国などをなぜ早めに止めなかったのかと非難している。

 感染症対策はまずはその病原ウイルスの性質を早く突き止め、それで分かった範囲で対策を柔軟に変更して実施していくのが方法だ。謂わば「試行錯誤」なのだ。三月末の学校一斉休校などいまになってみれば必要なかったものは錯誤になる。その錯誤は他にもあったと思うが、結果として5月中旬の一段落を迎えたので、安倍内閣は成功したと言っても良い。政治は結果責任だ。厚労省の国境管理が甘い、と非難の大合唱だが、水際作戦(1人も感染者を入国させない)は不可能で、それはできるだけ少なくするものの、感染の爆発をさせないようにクラスターを潰していく、医療崩壊をさせないように患者数の急増は避ける、という当初からの方針だ。それは今も変わっていない。患者ゼロにできないししなくてもよい(ここが分かっていない論者の脳内を推測する悪趣味はないが)。

 6月からの「第二波、第三波」だが、これも患者発生状況と重症患者数の現在数からの医療対応をまたよく見ながら柔軟に対応していくしかない。これからのことは分からないことばかりだ、神様でないのでそれしかないと思うが。
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書籍『疫病2020』|産経新聞出版

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