11/22/2022

どのみち気候変動支援は必要だ

それ(「損失と損害」)がCOP27の正式な議題になったのは今年、異常気象による破壊的な自然災害が世界中で相次いだことが背景にある。(木村氏)

 異常気象は自然災害の特徴としていつの時代もあるものだ(北極振動と偏西風の蛇行が原因とする説)。もしそれが地球温暖化起因だとしても、そのうちの人為的な二酸化炭素排出だけに責任を求めることができるか。超長期の自然温暖化の結果かも知れない。そして、いまに至るも人為的地球温暖化の現象(海水面上昇とか)がインフラ危機(防潮堤の嵩上げが必要)としてまで顕著にはなっていない(予測のみだ)。むしろ発展途上国の経済発展で地下水の異常くみ上げが地表面の沈下をもたらし、それが潮位の相対的上昇になっている例も多い。

 しかし、異常気象にぜい弱となっている発展途上国に対策インフラの支援は必要だ。その昔は先進国が恩恵的にその支援を実施していたが、「損失と損害」の責任として同じ支援が義務になった、と考えることができる。これも支援を発展途上国への影響力を増したいと考える国々への枠組みの変更を強い、純粋な意図による(影響力という紐付きでない)支援に純化する過程かも知れない。

11/19/2022

インフレ手当が永続すればコストプッシュインフレに

(インフレ手当)支給の理由としては、
「食料品などの値上げラッシュによる実質賃金の減少を補うため」(略)
(NHKより)

 手当というと一時的な支給だ。その理由の一つの上記だと、インフレで上がった物価は元に戻ることはないので、永久に支給しなければならない。つまり基本給に反映しないとおかしい。

 つまり日本の賃金は生活給の考えでその水準が決められているのではないか?いままではデフレで物価は上がらなかったので、賃金は据え置きのままだった。

 賃金を上げるには物価を上げる(デマンドプルインフレーション)というのはその通りだったが、物価が上がったので賃金が上がった(コストプッシュインフレーション)、のが真相で、因果関係が逆だ。それが日本のデフレが30年続いた理由だ。

11/15/2022

激増する患者数から医療体制を見直す

第8波になろうとしても相変わらず第7波までの感染症対策を引き継いでいる。オミクロン株はその変異種を含めて感染力は強く、いままでより多くの感染者を生んでいる。だから、新型コロナ医療の優先度を変え(下げ)ないと医療全体としてトリアージにならない。桁違いに多くなった新型コロナ患者への優先度を下げないと、他の病気患者への医療体制に重大な悪影響をもたらす。現に他の病気の救急車の受け入れが引き続き厳しくなっている。季節性インフルエンザ患者も今冬には激増が予測されている。

感染症の分類を2類相当から変更するかの医学の議論より、まずは患者数激増の実態から、どのように医療体制を組めるか、ということから2類相当対応のままでは無理だ、だから、別の類型を新設しなければ対応できない、という考え方で進めるしかないだろう。

11/05/2022

大入り満員が成功、とする文化

日本人は混雑を厭わない。好きだと言ってもよい。行楽シーズンには道路あるいは交通機関が混雑するのが毎年のニュースとなる。風物詩扱いなのだ。今年もそのシーズンになったと。

主催者が何かの企画を催したとする。その評価は何人が訪れたかの来訪者数の勝負となる。混雑すればするほど良い。

一方の訪問客としては混雑はできれば避けたいはずだ。それが混雑を主催者が意図する、主客が逆のことを考えている。

ソウルのイテウォン群集圧死事故の教訓で、日本各地の花火大会、岐阜の信長の催しもにわかに参加者を少し絞る挙に出た。違うだろう。混雑しないで参加できる人数でよしとする文化が必要だ。ICTの時代だ。催しの内容はオンラインで訪問しない全国の人に伝えられる。そのような低密度「快適イベント」の志向にならないものか。