5/17/2022

9条で平和になったのは世界のほう

「憲法9条があったから戦後日本は平和だった」と因果関係が飛躍した議論をする人がいる。その因果途中には各プロセスがあることを理解しなければならない。

 日本を非武装化するために米占領軍は憲法9条を押しつけた。ときの総理の吉田茂はこれを逆手にとって、国土防衛を占領解除後も米軍に委ねることに成功した。そのために日米安保条約が結ばれたが、通常の相互防衛条約でなく、片務条約で一方的に米軍に日本防衛の責務が生ずることになった。対する自衛隊は憲法上海外派遣ができないので、米国を守るための参戦はできない(自衛隊員も死なないですんだ、これも平和の定義だ)。

 国土の防衛でも、圧倒的戦力で核保有の米軍を相手に侵略する国はなく、自衛隊もその名前以上に世界有数の軍事力を誇るようになった。これは9条を非法に解釈変更したからだ。

 風が吹けば桶屋が儲かる、と言えば、その因果関係は直接にはないことが容易に理解できるが、9条の平和条項があるから平和になった、と平和繋ぎで飛躍されると詐欺以上の効果がある。

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