8/10/2021

行き過ぎた国際分業をどうする?

トヨタが世界生産トップとなった(半年で500万台超え)。こうなったのには理由があって、当地消費者向けに多くの国で現地生産(組み立て)しているからだ。

 車は完成車にして運ぶのは自動車専用運搬船でなので手間がかかる。部品をコンテナーに積んで現地工場に運んでそこで組み立てる方が合理的だ。もちろん部品も現地生産できるものはそうする。エンジンとかの基幹部品のみを運ぶことになる。貿易相手国の輸入が赤字にならないように現地でとは、政治の方のことで、世界的メーカーの方はこのように違う理由からだ。

 政治の方の代表はトランプ米国前大統領で、「貿易赤字が嫌いで」何でも米国で作ろうとした。しかし、それは国際貿易の原則からは無理だ。貿易の比較優位の原則から、自国で何でも作ったら、貿易相手国は輸出するものがなくなり、貿易が成立しない。

 米国は半導体の当初の生産国だが、メモリーなどの汎用品は日本に生産を譲るようになった。いま日本は台湾などにさらに譲った形だ。そのかわり米国はCPU半導体の設計など高度のものに特化した。日本は半導体生産機械の輸出だ。グローバル社会なので国際分業のためにうまく各国に配分されるようになっている(各企業家が意図してやっていると思うが)。

 似たようなのが、知的生産分野だ(つまり研究開発)。U国とかC国の研究者が優秀だとしてもすべて自国だけで独占して研究・開発するより、他国の研究者に分担してもらって世界的研究分担にした方が成果は大きい(プラスサムとなる、かつてのソ連圏は違った)。その点で最近伸びているC国の研究分野はビッグデータに基づくものとかでめざましいものになっているのだろう。J国にはその得意分野がある。

 しかしU国はC国をこの知的分野で切り離そうとしている(デカップリング)ので、CができることはU国の連合陣営で十分代替できると考えているのだろう。

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