2/06/2022

リスク評価ができる日本

小池知事の「感染は止める。社会は止めない」は当然だと思うが、素朴な国民向けにはヒットする格言だ。

いままでは「社会を止めて」までも「感染は絶対に止める」だった。それが社会への弊害とのバランスをとって施策を進めることになった(当初からそうあるべきだったが)。オミクロン株になってその感染力が強い反面、弱毒性であることがわかりつつあり、それもあって施策の変更にあたりこの格言までもちだした。

つまり新型コロナウイルスに感染して重症化(後遺症も)し死ぬこともあるのは絶対回避(ゼロリスクに)すべきことではなくなり、他のリスク(社会を止める)と比較すべきひとつの価値基準になったということだ。さらには新型コロナで医療に負荷がかかり続けている。医療にはこれまでには対象となり、待たせている急がない手術とか急性病でないガンなどの治療もあった。それらに悪影響が二年間のうちには出てきている。医療の対象は新型コロナだけでないので、そろそろ他の病気への配慮とバランスをとるべき時期だ。死に至る病は新型コロナだけではない。

感染爆発では同じ季節性インフルエンザと同等のレベルにまで毒性はまだ下がっていない。ワクチンの効果と治療薬の配備も完ぺきではない。しかし、そろそろ他の病気のことにも配慮する必要が出てきたのだろう。他病にもそれほど完ぺきであるとは言えない。

以上は一言で言えば、リスク評価ができる、ということになる。さらには「正しく怖れ」て他のリスクと冷静に比較できる、とも言い換えることができる。

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