オミクロン株対応にと三回目のワクチン接種が求められている。しかし、一二回目と違ってその接種ペースは今ひとつだ。国のワクチン供給、自治体の接種体制それぞれに問題があるとされるが、基本的には国民一般が緊急性を感じていないからだと思う。
日本での新型コロナ感染対策は自粛・自主行動を基本としている。だから国民一般がその行動変容が必要だとするリスク感覚を呼び起こすことができなければ、感染症対策にはならない。感染症の学者はその点でリスクの説明ができていず、学問としては失敗だ。
新型コロナウイルスは新種なので、まずはその感染上の特性を見極めることが必要だった。そのうえで、実際の感染での統計データを示してリスクを国民に説明する、そのことが不足している。理論上の結論を示しても、国民は実際の事例で判断するだろう。
オミクロン株では若者に感染が広がりやすいが反面重症化しない、という当初の説明があった。しかし、少ない事例で重症化、死亡するケースがあるという。しかし、それらの危険が大きいと言われた高齢者でも、軽症で済んでいる事例は多い。海外だが、エリザベス女王とその息子(チャールズ皇太子)は三回接種後でも感染したが、軽症だという。このように事例だけ両極端を示しても国民は動かない。リスクを個人として判断できるには以上が事例に終わらずに統計データとして示されることが必要だ。
三回目接種を推奨するには、二回までだけと三回目済みとの感染率の違いを示せばよい。理論で三回目の効果がある、だけより、実際にオミクロン株に感染した人の膨大なデータから、その年代、接種の回数、感染後の症状を集計して統計として開示すればよい。
これが感染症学のイロハだと思うが、当の感染症の学者はそうは思っていないのだろうか?
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